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7s:85話のロアのこころの動き

 84話から85話でのロアくんのこころの動きを占いました。
「気もちの変化、動き」はケルト十字スプレッドで見るとよいかなと思ったので、まずはケルト十字で見ていきましょう。

 ・1中心:カップの3(逆位置)
 ・2交差:カップのペイジ
 ・3基盤:カップの7
 ・4近い過去:ペンタクルの10
 ・5起こりうる結果:カップの8
 ・6近い未来:ワンドのクイーン
 ・7自分自身:ワンドの4(逆位置)
 ・8環境:ペンタクルのキング(逆位置)
 ・9期待と恐れ:ワンドの1
 ・10結果:ワンドのキング

 近い過去にあるペンタクルの10には、「成し遂げられた」「行きつくところまで行った」という、この長い呪いからようやく解放された安堵にも似た姿勢を感じます。自分が評価されずにロミンちゃんだけがソロデビューする、自分は置いて行かれてしまうという不安は、ロアくんの考えに、実は以前からあったことなのかもしれません(過去、遊我くんにそうされたように、自分は成功できないのではないか、頂点にたどり着く少し前で見捨てられるのではないか、という想い)。
 現在の位置で祝杯を挙げるカップの3は逆位置ですが、基盤の位置にあるカップの7はすがすがしいほどの正位置で、空に飛び立ちはじめた飛行機を見守っています。ロアくんのこころの基盤に、ロミンちゃんのゆく末を見守ろうという信念を感じ、それには間違いがないものの、しかしどこかでなにかが間違っているのではないかという想いはあるのでしょう。彼がほんとうに自分のこころにまっすぐであれば、カップの3は正位置のはずです。
 それに気づいているはずなのに、子どもが意地を張るように、自分は既に得たもので酔いしれて満足だ……(カップのペイジ)という、道化にも似た姿で真実から目を背けているようです。「自分自身」の位置にあるワンドの4(逆位置)も「踊り続ける道化」を表しているように見えますね。
 「あり得たかもしれない未来」にカップの8があり、カップのペイジやカップの3で目を背け続けたせいで、果たしてどれがほんとうに自分が欲していたカップなのかわからなくなってしまう……どれが本当の自分のこころだったのかがわからなくなる……という姿に見えます。実際にはこの未来は訪れませんでしたが、ロアロミンのメンバーが危機感を覚えず、遊我くんとのデュエルもなく、ファンの声援も届かなければ、どうなっていたでしょうか。
 近い未来には「ワンドのクイーン」がありますね。これは次回のロミンちゃんの姿でしょう。

 「環境」に腰掛けるのはまさしく間違った王の姿、ペンタクルのキングの逆位置です。そしてここからが見事なのですが、もう一度彼の杖(武器、魂)に炎がやどり(ワンドのエース)、結果として、彼は炎を取り戻した王として玉座に腰掛けます(ワンドのキング)。今度は、まっすぐと自らに対峙する最高の王として……。

 キングの足元にあるヘビの姿は、彼の魂に火をつけたものたちです。ロアくんを見捨てなかったファンの姿、ロアロミンのメンバー、そして王道遊我。
 すべてのものの上に立つため、今度こそ、霧島ロアは王として立つでしょう。
 

◇84-85話のロア・デュエル前
 ・王冠・目標 /到達:カップのナイト(逆位置)
 ・叡智/神・情熱 /高次の成長:皇帝(逆位置)
 ・理解/自己・試練 /重荷:ワンドのペイジ
 ・慈悲/成功・武器 /この世で手に入れるもの:ソードの1
 ・判断/困難・弱点:ワンドの9
 ・美/体・達成:正義(逆位置)
 ・永遠/訓練/規律のなかの創造:カップの6
 ・反響/愛と欲望/求心:ペンタクルの6(逆位置)
 ・基礎・想像力・潜在/無意識:カップの5
 ・王国/世界・外部・環境・現状:ペンタクルの2

 引き続き、84から85話のロアくんのこころの動きを追います。
 「生命の樹」スプレッドはある期間内でのこころを深く探るのに向いているスプレッドです。まず、デュエルの前の霧島ロアの気もちを展開し、そのあとに、デュエルの後の気もちを展開しましょう。

 遊我くんの言う「ロアらしくない」、粛々と頭を垂れそうな静かに覚悟を決めた騎士が、逆位置で頂点に構えています(カップのナイト(逆位置))。そして騎士を、逆位置の皇帝が支えています(皇帝(逆位置))。本来のロアくんであれば頂点には皇帝が君臨し、左右を騎士なりなんなりに支えさせることでしょうから、このスプレッドはいかにもおかしな感じがします。自分は脇役に徹しようという姿勢を、子どもっぽい頑固な熱で支えようとしています(ワンドのペイジ)。
 それでも何かしらの王冠は手に入るという考えもあるようですが(ソードの1)、心は痛み、壁となって外界から隔たれ、何物も受け入れず(ワンドの9)、自らの正義を傷つけています(正義(逆位置))。

 そこに来訪者が訪れます。このスプレッドに現れる星の王子さまの姿はほとんど王道遊我とみて間違いないのではないでしょうか。遊我くんはロアくんのこころを代弁し、彼の代わりに真実を見せてくれます(カップの6)。しかしロアくんはまだ自ら真実を描こうという気にはなっていません(ペンタクルの6(逆位置))。彼の無意識のうちではもう、置いて行かれた子ども(自分自身)が涙を流しているというのに……。

 そして、彼らはデュエルを始めます。真実を映し出す空へと旅立つために。(ペンタクルの2)
 

◇84-85話のロア・デュエル後
 ・王冠・目標 /到達:カップの10(逆位置)
 ・叡智/神・情熱 /高次の成長:ワンドの8(逆位置)
 ・理解/自己・試練 /重荷:ワンドの2
 ・慈悲/成功・武器 /この世で手に入れるもの:悪魔
 ・判断/困難・弱点:月(逆位置)
 ・美/体・達成:ソードの8
 ・永遠/訓練/規律のなかの創造:恋人たち
 ・反響/愛と欲望/求心:ソードの10
 ・基礎・想像力・潜在/無意識:ペンタクルの6(逆位置)
 ・王国/世界・外部・環境・現状:ペンタクルのキング(逆位置)

 84から85話のロアくんの気もち、デュエル後(というかデュエル中、変化してからの気もち)編です。
 生命の樹スプレッドで見ていきます。

 このスプレッドで特筆すべきはやはり「手に入れるもの」の位置にある「悪魔」のカードですね!
 複雑に惑う自分のこころを切り抜け(カップの10(逆位置))、こころにファンから与えられた情熱の炎をいくつも灯し(ワンドの8(逆位置))、まっさらな気もちで(ワンドの2)霧島ロアは新たな座にたどり着きました。戻ってきたというよりも、さらに一歩を切り拓いたと言えるでしょう。

 ロアくんのこころに焼き付いた「手に入れられなかった自分」「手に入れた遊我」の構図は、今後も崩れることなく彼のこころにくすぶっていくかもしれませんが(月(逆位置))、それでも彼は正道の王の座とは違う、「悪魔の王」としての位置を手に入れます。それはもはや普通の人間の王などではない(ペンタクルのキング(逆位置))、正道から見れば外道、邪教の頂点、悪魔になり得る────それこそが、遊我くんたちの言うような「神」というものなのかもしれません。

 彼の言う「お姫さまたち」に幾度も支えられては愛を返し(恋人たち)、厳しい試練を潜り抜けながらも(ソードの10)、霧島ロアはこの外道を進み続けます(ペンタクルのキング)。過去に少しずつの痛みを残して……(ペンタクルの6(逆位置))。

 この占いに備えて84話と85話を観返したのですが、改めて、セブンスのこと、セブンスのキャラたちのことが大好きだな……とおもえてすごくうれしかったです。ご依頼ありがとうございました!

 

 

 

GX:万丈目が死んだことを告げられた丸藤亮

 1王冠、到達:ソードの6(逆位置)
 2叡智、高次の成長:ワンドのナイト
 3理解、重荷:運命の輪
 4慈悲、この世で手に入れるもの:ペンタクルの5
 5判断、困難:カップの3
 6美、健康:ペンタクルの9
 7規律のなかの創造、永遠:ワンドの8
 8求心:運命の輪(逆位置)
 9想像、無意識:ソードのクイーン(逆位置)
 10王国、広い意味での環境:星(逆位置)

 異世界にたどり着き、おじゃまイエローから万丈目くんの死を告げられたカイザーは、かなり複雑な心境にあったようです。そのこころを一つずつ見ていきましょう。

 まず、ようやく、生死をかけた最高のデュエルを行える場所にたどり着けたという幸福感があります(ペンタクルの9)。彼は最高のデュエルを求めて(カップの3)、異世界を目指したのでしょう(ペンタクルの5)。

 しかし、その場所は同時に、仲間たちにとっての死地でもありました(ソードの6)。

 スプレッドに並ぶカードのいくつかにある「井戸(目的の場所)」「飛行士と王子(自分と仲間たち)」の様子をよくごらんいただきたいのですが、右手側には「井戸を求めて苦難をくぐり抜ける飛行士と王子」がいて、左手側には「目的地にたどり着き、乾杯をする飛行士と王子」があります。ただし、いちばん頂点の場所には「倒れた王子を背負い、ようやくたどり着こうとした井戸から、禍々しさを感じる飛行士」の図がありますね。
 このカードたちがまさにカイザーの内面を表していると言ってよく、自分自身にとっては最高の場所だが、そこでは仲間を失う危険性があるという、他者に向けるこころを、このときカイザーははっきりと自覚したのではないでしょうか。
 こころにはデュエルに向ける情熱が燃えているものの(ワンドのナイト)、そこには仲間を失うかもしれないという過酷な運命が顔を覗かせています(運命の輪)。今までのようにデュエルに情熱を傾けようとしますが(ワンドの8)、それをそのまま実行すれば、仲間たちという、彼の世界が崩れてしまうかもしれない可能性があります(世界(逆位置))

 自らを厳しく奮い立たせようとするものの(ソードのクイーン)、現実という彼の足元には、希望の星を見失っているヘビとキツネの後ろ姿が、音も光もなく、闇の湖の前に佇んでいます(星)。このキツネとヘビは、カイザーと暗黒使徒とのデュエルの予兆にも見えますね。やがてカイザーは見失いかけていた希望を、このデュエル見出すのでしょう。

 ユベルという敵を見つけ、ヨハンを救うことができ、カイザーのこころも少し安定するかもしれません。ですが、やはり仲間の死を自らの野望と天秤にかけるという点では、彼のこころはヘルカイザーには徹せなかったのではないか、と、それぞれ相反しているスプレッドをみて感じました。

 

 

 

GX:覇王十代に対してエドが思うこと

 1王冠、到達:死神(逆位置)
 2叡智、高次の成長:ペンタクルの8(逆位置)
 3理解、重荷:カップの9(逆位置)
 4慈悲、この世で手に入れるもの:カップの7(逆位置)
 5判断、困難:太陽(逆位置)
 6美、健康:ワンドのナイト(逆位置)
 7規律のなかの創造、永遠:カップの2
 8求心:ソードの3(逆位置)
 9想像、無意識:運命の輪(逆位置)
 10王国、広い意味での環境:ソードのナイト(逆位置)

 注目するまでもなく、圧倒的な逆位置の量に目を見張りました。いつものこまっしゃくれたプライドの高い孤高のプロデュエリスト、エド・フェニックスはなりをひそめ、彼のこころは今、ただ一枚の正位置のカード────「カップの2」のためにあるようです。カードの絵をご覧いただければ、おそらくわたしのことばがなくとも伝わるものがあるかと思います。

 あえてわたしがことばにするなら「献身」でしょうか。おそらくエドは、自分が、覇王となった十代を救うことに間に合わなかったことを悔いており(ワンドのナイト(逆位置)、死神(逆位置))、オブライエンやジムに救われながらもボロボロになってしまった十代くんに、今彼ができる精一杯を何でもしてやりたい、という情けの深さで満ち満ちているように見えます(カップの2)。そのようなある意味エドの核が剥き出しの状態だったからこそ、エコーのために身を投げ出すという感情的な選択もあったのかもしれないですね。
 ただ一枚の献身のために、すべてのカードが逆位置を向いている、しかもこのカップの2の位置は「何度でも試練を繰り替えす、永遠」の位置にあります。なんという切なくも美しい覚悟でしょうか。

 おそらくそういった精神状態のためか、普段のエドとは違う、十代くんに対するまっすぐな気もち、同じHERO使いとして、兄のような父のような気もちが、そこかしこに現れています。胸いっぱいの情愛を顕す「カップの9」、傷ついた十代くんのために何でもしてやりたいという思いを顕す「ペンタクルの8」、十代くんを示す太陽がふたたび昇ることを待つという姿勢の「太陽」、同じような構図の、また十代くんがふたたび必ず自由に飛び立つだろうという期待を顕す「カップの7」────これは以前、「アモン戦で敗れたときにエドが十代くんに抱いた希望」で出てきたカードと同じものです。
 「生命の樹」スプレッドの幹を表す中央の柱には、覇王から救うことに間に合わなかった気もちがずらりと並んでいます。後悔の「死神」、最善を尽くしたもののタイミングが悪かったことを感じさせる「ワンドのナイト」、これもまた運命の導きなのかという「運命の輪」、それでも、今からでも親友を救うために自分が前に突き進もうという覚悟の「ソードのナイト」。
 エドの想いとして、すごくドラマティックなスプレッドがひろがったので感動しました。覇王城から助け出された十代くんに対するエドの、すごく気遣うような姿勢、表情を思い出します。お題、ありがとうございました。

 

 

 

GX:プロとして進んでいく万丈目準の気もち

 1王冠、到達:カップのペイジ
 2叡智、高次の成長:ソードのクイーン
 3理解、重荷:恋人(逆位置)
 4慈悲、この世で手に入れるもの:ペンタクルのペイジ
 5判断、困難:ワンドのクイーン
 6美、健康:ソードの3(逆位置)
 7規律のなかの創造、永遠:法王(逆位置)
 8求心:悪魔(逆位置)
 9想像、無意識:ワンドの3
 10王国、広い意味での環境:カップのキング

 このリーディングで特に印象的なのは、生命の樹スプレッドの中央の柱、幹に当たる部分の天の場所に「カップのペイジ」、地の場所に「カップのキング(逆位置)」があることです。
 まず第一に、万丈目くんの軸を顕すものが「カップ」であったことは意外でした。
 ペイジはほかにもペンタクルが右手の側にあり、ペイジという人物像から、万丈目くんの幼さ、これからの成長の幅への期待感が現れているな……という感じなのですが、個人的に意外だったのはスートが「カップ」であることです。ワンドやソードならわかる……と思ったのですが、このカップはどうやら「先達の気もちをくみ取ろう」という気もちの現れですね。そう考えると、スプレッドの頂点で、飲み過ぎて(カップで受け止めすぎたのか)酔いどれになっている姿もかわいらしく思えます。
 御曹司らしさなのか、本来の性質なのか、礼儀を重んじる万丈目くんらしく、先達の教えや姿を胸に受け止めながら一歩一歩前進していこう、という決意が見えるようです。

 また、これはカイザーと同じ構図でもありますが、幹の天と地のカードがつながっていることによって、幹の上から下へ成長を繰り返していく…というかたちになっていますね。先輩からのメッセージを受け取り(カップのペイジ)、身を切るような試練をくぐり抜け(ソード3)、すべてを失ってもこつこつと耕すことを諦めず(ワンドの3)、やがては王となる……(カップのキング)。地味ながらも地道な道を一歩一歩進んでゆく、そのなかにも先輩への尊敬の念を忘れない、とてもすてきな成長の道です。この彼なりの正道を、万丈目くんは繰り返していくのでしょう。

 試練の側に「恋人」「ワンドのクイーン」「悪魔」と並んでいるのが、恋に恋してしまうというか、知的なおぼっちゃんなのに、こと恋愛に関してはふにゃふにゃになってしまう万丈目くんらしくてかわいらしいです。
 おそらく自分が恋愛に対して奥手というか、ある意味で苦手なことは、万丈目くん自身も理解していて、そちらにうつつを抜かすとついつい試練の方でも失敗してしまうのだから……と自省しつつも、たびたび繰り返してしまうおちゃめなところがありますね。
 元来とても頭がよく、自他共にきびしい姿や(ソードのクイーン)、豊かな生まれであること(ペンタクルのペイジ)などが示唆されるなか、万丈目くんの「永遠」の位置にあるのは「法王」の逆位置です。
 法王に教えを請う民のように、先達に頭を垂れる……年齢で言えば後輩のエドに頭を下げたように、万丈目くんは自らの成長のために、誰かの下につくことを進んで為せる人間です。そういった意味では、永遠に先輩であることのできるカイザーに対し、万丈目くんは、自身のほんとうの強さのため、何度でも誰かに膝をつくことができる殉教者、とてもよい後輩であるのかもしれません。

 

 

 

GX:第一線から退いた丸藤亮の気もち

1王冠、到達:カップの3
 2叡智、高次の成長:ワンドのクイーン(逆位置)
 3理解、重荷:月
 4慈悲、この世で手に入れるもの:吊るされた男(逆位置)
 5判断、困難:ソードの4(逆位置)
 6美、健康:太陽(逆位置)
 7規律のなかの創造、永遠:ソードのナイト
 8求心:カップの10
 9想像、無意識:ソードの1
 10王国、広い意味での環境:戦車

 丸藤亮らしいスッと一本筋の通るような中央の柱が美しいスプレッドだなと感じました。そしてところどころに、カイザーと呼ばれた丸藤亮らしくなさが見えるところが、GXを通して得た丸藤亮の「成長」なのかもしれません。

 まず今の彼の頭にある、旅の始まりを祝う「カップの3」の人物と、戸惑い迷いを顕す「月」の人物のポーズ、これらがほぼ同じです。彼は後輩を見送るにあたり、また、自らも新たな道を始めるに辺り、別れと希望の祝福のこころを持っていますが、それと同時に迷いのこころをも持っているようです。迷いというよりも、椅子に立つ不安定なポーズや、カップの3の三人から孤独への変化からみるに「不安」という気もちのほうが強いかもしれません。成長へ向かうための「ワンドのクイーン」で、彼の情熱の示す先がまだ明確でないような逆位置であること、彼にとっての現実を示す中央の三角形(ソードの4、太陽、つるされた男)がすべて逆位置なことにも、その不安は表れているように思います。

 カイザーが裏の世界や異世界を旅するヘルカイザーとしての試練を終え(つるされた男(逆位置))、アカデミアの皇帝として、また裏世界の覇者として、ふたつのみずからの黄昏を見送り(太陽(逆位置))、試練を終えました(ソードの4(逆位置))。これらが逆位置であることの理由のひとつに「終えた」という過去完了の意味もまた、あるでしょう。右肩にある「ワンドのクイーン」が逆位置であることから、過去に未練や悔いがあるということはなさそうですが、この先に対して、また新しくまっさらな道を行くことに、まだ決定的な目標を見いだしていない様子です。

 この辺りがざっと「カイザーらしくない」等身大の丸藤亮くんだな、と感じた部分です。かつてはカイザーとしてまっすぐに歩んだ丸藤亮が、道を迷い、もしかすればそれを今後誰かに打ち明けることができるかもしれないこと。一度ヘルカイザーとして正道から一気に外道に振れてみたり、感情をあらわにしたり、そして今回のように迷ったり……それらの成長はとても不器用で、しかし力強い人間らしさを感じます。

 しかしこの生命の樹スプレッドの柱、幹にあたる部分の展開が、とても美しいです。人生というおおきな試練を愛した丸藤亮が(ソードの1)、自らの黄昏を見送り(太陽(逆位置))、後輩たちの旅立ちを祝福し(カップの3)、自らもまた新たな道へ旅立っていく……(戦車)。特に「カップの3」から「戦車」への流れが、自らのことと後輩(仲間たち)のことを結びつけ、見た目はつながっていない幹の上下を結びつけることで、この循環を永遠に繰り返していきながら成長を続けていく、という覚悟に見え、背筋が伸びるような思いになります。
 ソードの1でキツネとして現れる丸藤亮は、ソードのナイトでもキツネの姿で、後輩たちが続く道を先導しています。ほんとうはただひとりの仲間として気を許し、肩を並べて過ごしたいという気もちもあるでしょう(カップの10)。それでも、丸藤亮は、後輩たちを導くために先を行き続けます。

 デュエリストとしては前線を退いた形になるのかもしれませんが、人生の先輩としては、丸藤亮は常に仲間たちの先に立つ覚悟なのかもしれません。

 ちなみにこの「先導」するソードのナイトのある位置。この場所の名は「ネツァク」、または「永遠」です。

 

 

 

7s:王道遊我について

1王冠、到達:ワンドの3
2叡智、高次の成長:月(逆位置)
3理解、重荷:ペンタクルのペイジ(逆位置)
4慈悲、この世で手に入れるもの:カップのナイト
5判断、困難:ペンタクルの10
6美、健康:ペンタクルの2
7規律のなかの創造、永遠:世界
8求心:魔術師(逆位置)
9想像、無意識:恋人たち(逆位置)
10王国、広い意味での環境:ソードのキング

 わたしの知るなかでは、遊戯王の歴代主人公の中でもっともつかみ所がなく、最年少にして最も達観していたようにすら見えた、王道遊我くん、気になりすぎるので占いました。

 リーディングを困難にするのは、逆位置でできた三角形、「月」「魔術師」「恋人たち」です。書いてて気がつきましたが、この「魔術師の逆位置」はオーティスですね。
 わたしまだセブンスの最後のほう一回しか見ていなくて、セブンスって一回見るだけだと「このひとたちは何をやっているんだ?」「え……?」と言いながら終わってしまうので、遊我くんとオーティスがどのようになったのか、いまいちわかっていないのですが、遊我くんのこの不自然な三角形はオーティスに関わりがありそうです。

 「月」は本来は「迷い」などを示すカードですが、この戸惑いながらも宙へ手を伸ばす姿はおそらく「セブンスロードマジシャン」をつかんだときの遊我くんの姿でしょう。「恋人たち」ではデッキやデュエル、ラッシュデュエル自体を慈しむ遊我くんの姿があります。すべて逆位置で出ているのは、オーティスから始まったこれらを、オーティス自身を信じ切れないために、すべて自分自身のものであるのかどうか、どこか揺らいでしまうときのある心のあらわれでしょうか。
 それにしてもこんなにきれいに三角に、しかもすべてが大アルカナで出るのはびっくりしました。こうなるとまた、足元の遊我くんらしからぬカード「ソードのキング」も、遊我くんのまえに立ちはだかるオーティスである、ということで説明がつきます。
 人生のなかで10枚中4枚、こんなにもオーティスは影響しているのか……という感じですが、考えてみれば、オーティスから受け取ったカードから遊我くんのラッシュデュエルという生き方が始まっているので、当然と言えば当然なのかもしれません。
 でもびっくりしました。
 大アルカナとか、キングとか、性質的にもとてもおおきな影響力が出ていますし……それ以外の遊我くん自身のカードは、ある一枚を除き、小アルカナということも、考えれば考えるほど深い影響力です……。そしてその遊我くん自身の一枚が「世界」であることも……タロット(ていうか王道遊我)、深すぎます。。

 オーティスに関するカード以外は、実に遊我くんらしい、おだやかなカードが続きます。
 地道に星を耕すように、さまざまな発明をしたり、ラッシュデュエルの可能性を探り続けたり(ワンドの3)。自身がまだ子どもであることに、多少の不満があるかもしれません(ペンタクルのペイジ(逆位置))。
 発明というあまりにも多種多様なものを手に入れられる可能性があることで、ときに迷うこともあるかもしれませんが(ペンタクルの10)、最後には必ず必要なものを入手できるという運の良さ、粘り強さも感じさせます(カップのナイト)。

 四元素のバランスがよいですが、ペンタクル(土属性)が多いところも、遊我くんのおだやかで地道、芯のあるちょっと頑固な性格と合っていて、かわいらしいですね。

 中心の「美」には、スパナを持って飛行機の修理、調整をするという、まさに遊我くんそのものの姿があります(ペンタクルの2)。
 遊我くんの創造の力はすばらしく、遊我くんはまさにこの世界を呼吸するようにすべての世界から学び、自らのほしいものをそのままに創造していきます。その現れがこの「永遠」の位置にある「世界」のカードでしょう。これはラッシュデュエルの構築と展開という功績を思えば当然現れるべきカードかもしれませんが、こうして目の前にかたちとして提示されると、息をのむものがあります。

 遊我くんの力を表す、タロットの22枚目の最後を飾る、22番目のカード、「世界」。そしてオーティスを表すのは、1番目のカード、「魔術師」。世界とは神の創造物であり、魔術師は人間としては最高位の創造手です。
 ワイルドカードである「愚者」を除き、タロットの始まりと終わりを示すカードで現れる、創造者・遊我くんと魔術師・オーティス、そのふたりが紡いだこの遊戯王セブンスという物語。
 このリーディング結果を受け止めながら、わたしもまた、セブンスをもう一巡しようと思います。

 

 

 

7s:遊我ネイルwithRに対する遊我

1王冠、到達:正義(逆位置)
2叡智、高次の成長:ワンドの7
3理解、重荷:カップのクイーン
4慈悲、この世で手に入れるもの:力(逆位置)
5判断、困難:ソードの8(逆位置)
6美、健康:運命の輪
7規律のなかの創造、永遠:ワンドの5
8求心:ペンタクルのキング(逆位置)
9想像、無意識:世界
10王国、広い意味での環境:愚者(逆位置)

 「ワンドの7」と「カップのクイーン」、一見正反対なコンビのバランスを取るような「正義(逆位置)」が、遊我くんでしょうか。このカードを含め、逆位置で出ているカードの理由がいまいち不明なのですが……逆位置になることにより、正位置のロアくん、ネイルくんと向き合った関係であろうとするようにも見えます。
 ……ていうか書いていてわかったのですが、これは、本来のスプレッドの意味を無視して、時系列で現れていますね。

 上の三角が「出会ったとき」、中央の三角が「途中」、最下層の三角が「現在」と解釈するとつじつまが合います。また、柱の右手側がロアくん、柱の左手側がネイルくん、中央がグループ全体および遊我くんを表しています。
 完全に本来のスプレッドを無視して、遊ネイRを描くためだけのスプレッドになってしまっている……というのが起こるところが、タロット占いのおそろしいところですね……。

 そういった前提で考えると、過去、「正義」である遊我くんは、「ワンドの7」であるロアくん、「カップのクイーン」であるネイルくんと、敵として対峙していました。この「正義」とはジャスティスとしてどちらが正しいとかいうよりも、バランスの取れた人間であるとか、正道をまっすぐに進もうとかいうこころを表していると感じます。ワンドの7にはライブ会場で激しく観客を沸かせる姿、カップのクイーンには優雅に玉座に腰掛ける女王の姿があるように思います。

 遊我くんは、ロアくんには勝利し(力(逆位置))、ネイルくんには一度敗北しました(ソードの8(逆位置))。
 そしてここから彼らの運命はがらりと転換します(運命の輪)。

 戦いを繰り返した彼らは、今度はともに戦う戦友となったのです(ワンドの5)。それぞれの立場、役割を保ちながら蛇と対峙する、星の王子と親友のキツネの姿があります。ネイルくんはまだ完全に心を許せていないのか、セバスチャン(玉座)に腰掛けたペンタクルのキングの逆位置という少しよそよそしさを感じるかたちではありますが、それでも彼らなりの「世界」を構築し始めているようです。

 そんな過去を乗り越え、「今」に待ち受けるのは「愚者」の逆位置。そろそろこのグループから旅立ち、それぞれの道を歩み始めるときが来ているようです。しかし心配することはありません、足元にはこのグループで得た実りが花開いていますし、友人たちの姿は、空をゆく鳥として、見上げればきっと近くにも遠くにも見つけることができるでしょう。

 本来のスプレッドを無視して、完全に遊ネイRのスプレッドになってしまう……こういうことがあるのでタロットはすごいな~。肝心の遊我くんの気もちはふんわり煙に巻かれてしまった気もしますが、こういう、個人のことだけでなく、グループのこととして全体で表して見せてくれるところも、なんか遊我くんらしい気がします。

 

 

 

7s:遊我ネイルwithRに対するネイル

1王冠、到達:カップの7(逆位置)
2叡智、高次の成長:世界(逆位置)
3理解、重荷:カップのナイト(逆位置)
4慈悲、この世で手に入れるもの:ソードの3
5判断、困難:ワンドの8(逆位置)
6美、健康:ソードの9
7規律のなかの創造、永遠:カップの5
8求心:ペンタクルの4(逆位置)
9想像、無意識:ワンドの4
10王国、広い意味での環境:カップの1

 スプレッドをひらき始めたとき(失敗したかな? 集中力が足りなかったかな、後日やり直そうかな……)と思ったのですが、十枚目までひらいたときに、成功していることに気がついてとても驚きました。
 失敗したと思った理由は、あまりにも傷ついている人間のこころだった(ように見えた)からで、成功していたとわかった理由は、最後の二枚で、スプレッド全体の意味がおおきく変わったからです。

 ネイルくんは常に空を見上げていますが(カップの7)、今はまだその見方は定まっておらず、この空にいたい何を探れるのかもわかっていないようです(逆位置)。ですがこのカードを含む、このスプレッドに現れる逆位置たちのすべては「今後、遊ネイRなどの友人関係を通してよりよく変化していく希望」に変わっていくための逆位置のようです。

 いずれネイルくんは、無邪気に星を落としていたときとは違う感情で、友人と寄り添いながら空を眺めるでしょう。
 そして、自分とセバスチャンだけの閉じた世界とは違うひらいた世界がいくつもあることを知り(世界(逆位置))、感情を納めて目を閉じる以外のこころの表現があることを知り(カップのナイト(逆位置))、周囲の人々が集まってひとつの炎を灯す意味を理解できるようになり(ワンドの8(逆位置))、くどくどと規律に則らなくても自分の気持ちを表しても良いんだと、思えるようになるでしょう(ペンタクルの4(逆位置))。

 それらすべての新しい変化は、この遊ネイRで新しく得たみずみずしい感情から花ひらき(カップの1)、子ども同士の友人らしいふれあいから、広がっていきます(ワンドの4)。この「無意識」にある「ワンドの4」は、ロアくんが遊ネイRに持つ理想像と同じであることが、なんとも素敵な符合です。親友のキツネと笛を吹いて遊ぶ王子のかわいらしい姿のカードです。

 「手に入れるもの」にある、「三つの剣により、今にも断首されるバラ」の絵柄は一見恐ろしいのですが、これは、今までのネイルくんの狭い世界を捨てるために必要な儀式です。もしかしたらその常識の転換は痛みを伴うかもしれません。ですが、これはネイルくんの成長のために必要な痛みとなります。切り落とされるバラは人間に対する狭い見識、そして三本の剣は、遊我くん、ロアくん、そしてネイルくん(あるいはセバスチャン)の三人でしょう。彼らが、ネイルくんを新しい世界に進ませるのです。

 このスプレッドの真ん中にある「ソードの9」では、星の王子に慰められる、泣きじゃくる人物がいます。泣きじゃくっているのはネイルくんで、寄り添っているのはセバスチャンでしょうか。九本の剣が辺りにグサグサと突き刺さっており、傷ついているようにも見えれば、九本の剣で誰をも立ち入らせないようにし、自分自身を外部から守っているようにも見えます。

 「幾度も繰り返される試練」には悲嘆に暮れる「カップの5」があります。ネイルくんは、その無表情からは信じがたいほど繊細で、傷つきやすい人間のようです。ひとつのことを拡大解釈しすぎて、すぐに防御の姿勢に入ってしまったりするかもしれません。セバスチャンという玉座から立ち上がり、一歩を進めるごと、むき出しの地面に裸足の足を傷つけているのでしょうか。

 ですが彼はいずれ、椅子に座ること以外にも、様々な道具や技がこの世界に存在していることを知るでしょう。足を傷つけないための靴。もっと軽やかに歩くための靴下。華やかに喉を潤してくれる飲料。素早くわくわくした移動ができる自転車。隣で一緒に笑い、励まし、競い合うことのできる友情。

 ネイルくんの未来は今、ここから花開こうとしています。

 

 

 

7s:遊我ネイルwithRに対するロア

1王冠、到達:ワンドの4
2叡智、高次の成長:皇帝
3理解、重荷:ワンドのナイト(逆位置)
4慈悲、この世で手に入れるもの:カップの2
5判断、困難:悪魔(逆位置)
6美、健康:カップの4
7規律のなかの創造、永遠:ペンタクルの6(逆位置)
8求心:正義(逆位置)
9想像、無意識:ペンタクルの2(逆位置)
10王国、広い意味での環境:塔

 穏やかな絵柄のカードが多く、本人はそう見えるよりずっと愛情深く、弟を育てるかのように、ちょっと上から相手と接したいタイプの人間のように見えます(カップの4、皇帝、ペンタクルの6)。ロミンちゃんの従兄弟であるというところから、意外とお兄ちゃんお兄ちゃんした人物なのかもしれません。

 しかしまず注目すべきは足元にある、崩壊する「塔」の王国でしょうか。いくつかのカードが逆位置になっていますが、これはこの「塔」から始まっています。「ペンタクルの2」の逆位置、「正義」の逆位置を経、「塔」の強い影響力がじわりじわりと波及していきます。 足元である「王国の崩壊(塔)」が、ロアくんのこころに強く影響しているのです。 ロアくんからすれば自らの正義、正道であったセブンスロードを遊我くんに取られてしまい、王の道を遊我くんが歩み始めたこと、そして、そんな遊我くんに負けてしまったことを、やはりどうしても認めることができないように見えます。 そのほかのカードから見える遊ネイRへの信頼から見るに(ワンド4、カップの2)、認めることができないのは、遊我くんではなく、オーティスに対する納得のいかなさとか、あるいは遊我くんに敗北してしまう、弱い自分をなかなか認めることができないでいるようです。それが未だに彼の王国を崩壊させている理由でしょう。

 遊ネイRに対してはちょっと意外なほど心を許しています(ワンド4)。ワンドの4のカードでは、笛を吹きながら親友のキツネと遊ぶ王子の姿があり、こちらもほのぼのするような、とても優しい情景です。どうしても俺様な姿勢、大きく振る舞ってしまう様子は変えられないようですが(皇帝)、それは遊ネイRにむしろポジティブに働いているようなので、結構グループ内のやさしいお兄さん役になっているのかもしれません。髪の毛をといてあげたりしていましたし。
 「皇帝」に当たる人物が、玉座を王子に譲り、豪奢なマントを眠る王子にかけてあげている絵面はまた、微笑ましいところです。玉座を譲ってあげている相手は遊我くんなのか、ネイルくんなのか。譲って「あげている」というところも、彼らしくてよいですね。
 本当はもっとグループ内でスピード感や情熱などを見せ、リードしていきたいようなのですが(ワンドのナイト(逆位置))、そうするには敗北などの悔しい気もちが影を落としていて、そこまで積極的に前に出てはいないようです。ここでもっと情熱が出せれば、ロアくんがロアロミンに対するような感じの、グループとの情熱的な関わりになってくるのかもしれませんね。

 そしてもっとも美しいのは「手に入れるもの」の位置に「カップの2」があることです。このふたつのカップは、やはり遊我くん、ネイルくんのことでしょう。遊ネイRを通してロアくんは二人の友人を手に入れようとしています。こうなると、手に入れることを「困難」にしている「悪魔(逆位置)」のカードすら、かわいらしく見えますね。「皇帝」「悪魔」が盤面に出ることも、(フランス語で王を意味する)ロアくんが、光属性の悪魔使いであることを、タロットがちょっといじっているようでたのしいです。今は逆位置なので、あまのじゃく的になってしまって、「友人」という姿勢にうまく素直になれない様子が出ているのも微笑ましいですね。

 遊ネイRって突然出てきて突然消えたので、何があったか教えろよ!!!!!!!!という気もちで占ったのですが、かわいらしいリーディング結果になったのでよかったです。そしてそんな中でも、足元の王国が崩壊していること、その崩壊している王国を元にしながらもしっかりと立ち続けていること、友人たちの影響で間違いなくロアくんの心が変化していること、そんなロアくんの強さ、やさしさに胸を打たれます。

 

 

 

GX:四期の天上院明日香

1王冠、到達:ペンタクルの1
2叡智、高次の成長:ソードのペイジ(逆位置)
3理解、重荷:ソードのクイーン
4慈悲、この世で手に入れるもの:ペンタクルの7(逆位置)
5判断、困難:ペンタクルの10
6美、健康:力
7規律のなかの創造、永遠:ワンドのキング
8求心:ワンドの2
9想像、無意識:カップの2(逆位置)
10王国、広い意味での環境:ワンドの9(逆位置)

 四元素のバランスがよい、とても健やかで魅力的な女性です。中央にある、キツネを胸いっぱいに抱きしめる愛情深いカードが、明日香さんの心身共にある健康的な魅力が、中央からあふれ出しているように思います。
 おそらく占う時期を「四期」でなく、別の時期にずらせば、もっともっといきいきとしたカードが並ぶのではないでしょうか。

 無意識で逆位置のカップの1からは、愛情の杯になみなみと満ちた水が逆さになって、すべてがワンドの9(逆位置)に流れてしまっています。ワンドの9で泣き崩れていることから、これが四期で明日香さんが決着をつけた「十代くん(たち)との別れ」になっていると感じます。
 すごく個人的な意見ですが、十代くんに向けていたのは恋愛感情というよりも、もっと広く、もっと深い「愛」ともいえるものだったのでは? と考えていました。シンプルにカードだけをみると「失恋」とも取れるものの、心の奥底の泉からあふれ出してしまっていること(カップの1)、ワンドの9でいくつものボトルやグラスが倒れていることから、「明日香さんにとって十代くんは、アカデミアでの明日香さんの青春そのものを象徴していて、

 卒業
  ↓
 告白(引き留める)
  ↓
 告白せず未来を選ぶ、

 という選択をし、十代くんを未来に向かわせることで、自らも未来に向けた人生を歩むことにした。そうして自らの青春の幕を閉じ、十代くんを含むすべての仲間たちと別の未来を歩む決意をした」のでは……と思えて胸が熱くなりました。十代くんが未来に進むことを選んだのは、無印でアテムを引き留めなかった遊戯さんのことも思わせます。劇場版超融合での、闇遊戯による「俺たちは未来に進むしかないんだ」というセリフも……。
 明日香さんとって遊城十代とは、数々の仲間たちとともに過ごした自らの青春そのものだったのかもしれません。

 そしてまたうつくしいのが、ワンドの9の逆位置で荒野になってしまったような星に、新たなバラが芽吹いていることです(ペンタクルの1)。これは新たな恋というより、新たな未来、新たな青春の始まりと捉えてよいでしょう。まだ周りにほかのバラ(味方)の姿はありませんが、明日香さんは、新たな星で新たな自分自身を咲かせようとしています。そしてきっと、その美しさやすばらしい香りに、新たな仲間たちが寄ってくるのに違いありません。

 また、ワンドの2が気になります。このワンドの2は明らかに「愚者」のカードとそっくりなのですが、「愚者」と違って戸惑ったような表情をしているのです。「現実に対する欲望」の位置に「愚者」があり、愚者は劇中で十代くんを象徴するカードであることから、十代くんと同じ道を歩みたかった本心も、やはり垣間見えます。

 明日香さんはとても一本気な女性のようです。魅力的で実力のある女性なので、いろいろなチャンスが巡ってきますが(ペンタクルの10、ペンタクルの7(逆位置))、いつもそこからひとつだけを選び、まっすぐに挑戦していくタイプの方です。挑戦が困難であれば困難であるほど燃えるという、逆境に対する心意気も持ち合わせています(ソードのペイジ(逆位置))……が、キングやナイトではなく、ペイジ(少年)のため、そこでうまく立ち回れるかというと、実はそうでもなさそうです。とにかく手をつけてやってみる!という、ちょっとやんちゃなところがあるでしょう。そこがまたかわいいです(私信)。

 それでも、自他ともに対し厳しく律しながら(ソードのクイーン)、何度でも何度でも困難へ立ち向かっていく(ワンドのキング)。それこそが、天上院明日香の姿である。そんなスプレッドになりました。

 

 

 

5D`s:龍亞と龍可(龍亞視点)

龍亜龍可なら森のカードでしょう、と思って、森のカードで占いました。

中心:The Huntsman
交差:Seeker of Challenges(逆位置)
 この小十字の対照的な姿にはギョッとしました。本来は心優しい戦士であった龍亜ですが、龍可のために姿を変えた……まさにパワーツールドラゴンがライフストリームへ成長した姿を思わせます。

基盤:The Forest Lord
 精霊の森の守護者である少女に対し、自らは森の王であろうとするこころって……すごくないですか……?(とうとう占い師に徹することができなくなった結果)
 守護者の少女ごと森を守護しようというこころが、カードにまで漏れ出すほどつよく、決意しているのでしょうか。

近い過去:Seeker of Visions
 感情のままに生きようとしつつも、どこへ向かうべきか、誰に音を奏でるべきか、どんな音を奏でるべきなのか、自分を見失っていた姿があります。

起こりうる結果:Seven of Challenges
 実際には起こらなかった結果ですが、特に最後の戦い(試練)で、龍亜はすべてを失ってしまう可能性がありました。心臓に爆弾を抱えながらも、命をなげうってまで戦ったことで、彼はこの未来を回避したのです。

近い未来:Child of Challenges(逆位置)
 試練を表す「Challenges」のカードが続きます。試練の森で迷い、途方に暮れている子どもの姿があります。この場合の逆位置は、今からこれが回転して解消されていくことを期待させます。

自分自身:Weaver of Boons
 Challengesの嵐が吹き荒れるなか、唐突に女性の姿が現れます。これはおそらく龍可を表すカードではないでしょうか。
 だとすると、龍亜は龍可を、自分自身と同じほどに、大切に考えています。龍可を「共に森に住み、自らの実りを自分に与えてくれる、慈悲深く優しい女性」と考えていそうです。自分のことを「森の王」と考えながら、龍可のことは「森に住み、実りを司る優しい女性」と考えることは、ちょっと兄の矜持を感じさせますね。

環境:Four of Challenges
 こちらもChallengesに吹きすさぶ木枯れた試練のなか、ひとつだけ豊かな実りを保った木が堂々と立っています。どんな逆境のなかでも決してゆるがない龍亜と龍可の木、絆を感じさせます。森のすべてがたとえ枯れ果ててしまっても、龍亜と龍可の木だけは決して死なない、この絆だけは、冬の王でも滅ぼせない……このスプレッドに現れるカードの一枚いちまいのうつくしさ、どうか同じ5D`sファンにも伝わってほしいです。

期待と恐れ:Child of Boons
 森の中でお菓子の家を見つけた少年の姿です。「期待と恐れ」の位置のカードは、本心をより深く暴き出します。お菓子に手を伸ばし、今にもひとつつまんでしまいそうな姿は、好奇心いっぱいで無邪気な龍亜くんの姿そのものに見えます。森の王などの強い姿ばかり現れていましたが、やはり大元の龍亜くんは見た目通りのやんちゃな子どもなのでしょう。 この絵の元は、おそらく「ヘンゼルとグレーテル」のヘンゼルのはずですが、グレーテルの姿が見えないことが気になりますね。ですが、今まで見てきたスプレッドの様子から、グレーテルは確実にそばにいるか、もしくは、このヘンゼルは手にいれたお菓子をグレーテルに分け与えるだろうこと、そういった絆が、たとえ絵に描かれていなくとも存在していることを、わたしたちに確信させてくれます。

結果:Three of Spells
 精霊の森から、精霊たちとともに、ともしびを乗せた船がいくつもいくつも旅立っていきます。
 長らく精霊の森に住んでいたであろうヘンゼルとグレーテル、龍亜と龍可でしたが、5D`sという物語を経て、新しい場所へと進んでいきます。
 彼らの未来が明るいのか、暗いのか。
 たとえそこがどんな暗闇でも、すでにともしび自身である彼らが、そこを明るく照らし出すであろうことは、間違いがなさそうです。

 

 

 

GX:三期の遊城十代

1中心:悪魔
2交差:カップのクイーン
3基盤:節制(逆位置)
4近い過去:ペンタクルの2
5起こりうる結果:カップの5
6近い未来:太陽
7自分自身:愚者(逆位置)
8環境:ソードのナイト
9期待と恐れ:正義(逆位置)
10結果:ワンドの2

交差:カップのクイーン
 ここのカードは彼自身と見てもいいのですが、カップのクイーンは十代くん自身と考えるよりも、ユベルと捉えたほうがしっくりきます。それも苛烈な熱情を注がれるような様子でなく、落ち着いた愛情深い女王の姿です。おそらくこれは過去のユベルの姿なのではないでしょうか。

中心:悪魔
 慈悲深い姿だったカップのクイーンですが、この悪魔のカードの上に覆い被さるように配置されています。悪魔の姿となって、十代くんや彼の仲間たちを縛り付けています。
 しかし頭上の星が逆であることから、本来のユベルはこういった姿ではない、もしくはこういった姿ではないことを十代くんは信じているのかもしれません。

 この「交差」と「中心」ではっきりとユベルという十代くん以外の姿がカードを支配している状態は珍しいと思います。やはり三期のストーリーの核、三期の十代くんの核にはユベルがあるからなのでしょう。

基盤:節制(逆位置)
元々は仲間と協力して目標を成し遂げる人間で、しかも多少の危険を冒してでも率先して誰かを救ってきました。今回はそのことが裏目に出てしまいます。

近い過去:ペンタクルの2(逆位置)
 ちょっと解釈の難しいカードです。飛行機で飛び立つ準備をしている飛行士へ、なにかのらくがきを渡している王子の姿があります。もしかするとこれは、ユベルを宇宙へ飛び立たせたことを示唆しているかもしれません。だとすれば、本来のペンタクルの2のカードの意味とはまったく違い、この「星の王子さま」デッキだからこそ出たカードなので、この蓋然性にはほんとうに驚きます。
 もしくは自分の魂を次へ手渡したという意味で、前世の王子から十代くんへ移ったという意味にも取れますね。

起こりうる結果:カップの5
 倒れたカップの前で嘆き悲しむ王子の姿があります。仲間たちを失う十代くんの姿とみて間違いないでしょう。

近い未来:太陽
 登り来る太陽、そしてその前にたたずむバラと対峙するようなカードです。ここでこのカード、この絵が出てくるということはほんとうに美しいです。GXファンにわたしのことばは必要ない……と思えたので、ぜひ画像でご覧ください。

自分自身:愚者(逆位置)
 劇中でも十代くんを表すカードですが、今回は「逆位置」で出ています。本来の自分であっていいのかどうか、そういった迷いがよく現れています。背後にある星はおおきな太陽かもしれないし、かつて訪れた木星かもしれず、そう考えると、この王子はどこか異世界にいるような気もしてきます。

環境:ソードのナイト
 キツネが騎士を導いている、もしくはキツネと騎士が目標に向かって突き進んでいます。十代くんの意思で物事が進んでいるというより、このときの彼は運命の流れに流されるままに進んでいたのかもしません。

期待と恐れ:正義(逆位置)
 正義の逆位置が十代くんの心のなかで構えています。果たして今まで自分が正義と信じて行ってきたことは間違いだったのか? その疑問が、まっすぐこちらを見つめる王子に見透かされ、十代くん自身の心はすくんでしまうようです。

結果:ワンドの2
 崖っぷちに立って遠くを見つめるという位置は「愚者」のカードとよく似ていますが、今の彼の武器でもある二本のワンドのうち、一方には蛇が巻き付いています。ユベルと融合したという状態をよく表していると思います。また、「愚者」は一歩を踏み出しているのに対し、この「ワンドの2」ではどうも道を迷っているように見えます。遠くに見える山々に厚い雲がいくつもかかっていることも、元の鞘にはもどったものの、行く道を失ってしまったように思えます。

 

 

 

GX:レインボードラゴン召喚時のヨハン

・生命の樹スプレッド
 1王冠、到達:ソードのナイト
 2叡智、高次の成長:ソードのペイジ
 3理解、重荷:恋人
 4慈悲、この世で手に入れるもの:ペンタクルの3(逆位置)
 5判断、困難:ペンタクルのクイーン
 6美、健康:カップの3(逆位置)
 7規律のなかの創造、永遠:ソードの7
 8求心:星(逆位置)
 9想像、無意識:カップの6
 10王国、広い意味での環境:力

 ひとことでこのスプレッドの意味をわたしが表すとしたら「親友のために、試練を乗り越えて命を投げ出すひと」です。もうちょっと、宝玉獣とか、家族的な愛情が現れるタイプの人間だと考えていたので、こんなにも様々なことを試練だと思って乗り越えてきたのか……と考えると、びっくりしました。もしかすると、彼の人生から「試練」を取り除いたとき、初めてヨハン・アンデルセンという人物の人間らしさが現れてくるのかもしれず、そうなると、四期のヨハン(そんなに出てないけど)のほうが、より本来のヨハン・アンデルセンに近いのかもしれません。というよりも、親友や家族という彼の運命が居ない状態でないと、本来のヨハンのことが不明なのかもしれず、しかし親友や家族という試練がない状態のヨハンはもしかするともうヨハン・アンデルセンではないのかもしれない……と、なんか深いところまで考えてしんどくなりそうです。わかった方がいたら教えてください……(同人誌で……)。

 あるときはキツネとして親友を導き、また、導くために生きることが自分の使命だと考えており(ソードのナイト)、あるときには母親のように、キツネという親友を守る守護者となります。(今回使用している星の王子さまタロットで「キツネ」は親友の象徴みたいな感じです)(私情を挟みますけど、ここで先導者と守護者が出るの、すごくないですか??)
 その目標のためにたとえ困難な道でも、もしくは困難な道のりを自ら開拓していくことを好み(ソードのペイジ)、秩序だっているというふうではなくとも、とにかくスピード感重視で手をつけ始めます。
 ここで「恋人」という障害が入りますが、この真っ赤でおおきなバラは、きっとユベルのことだと考えてよさそうです。

 「ペンタクルの3(逆位置)」のカードは彼が「この世で手に入れるもの」を指しますが、どうやらこのカードは「無意識・基盤」の位置にある「ペンタクルの6」と呼応しています。
 「ペンタクルの3」で描きためた絵を「ペンタクルの6」で、飛行士に手渡しているのです。そのため、彼がこの世で手に入れるものは、道の始まりそのものであり、そこで始まったものを誰かに手渡して繋げていくこと、まさに、自らが絆そのもの、架け橋となることこそ、彼がこの世で果たすべき試練だと感じているように思えます。
 「困難」の位置にはまたしてもバラをまとい、大事そうにコインを抱き寄せる女王の姿があります(ペンタクルのクイーン)。これもユベルの介入と捉えてよいのではないでしょうか。

 そうして彼は「カップの3(逆位置)」に到達します。仲間たちで杯を交わし合い、目標の達成を喜ぶ姿です。逆位置であることは、つまり、仲間たちはヨハンが犠牲になることを実は望んでいなかったということになるでしょう。「この世で手に入れるもの(ペンタクルの3)」が逆位置であったことも、同じ理由だと捉えてよいかもしれません。

 たとえ仲間と険悪になっても、彼は使命を重視しています(ソード7)。それはもはや盲目的な献身だともいえます。彼には遙か遠く大きく輝くすばらしい理想があり(星)、それはもはや彼自身のアイデンティティを脅かすほどの大きすぎる美しすぎる目標なのかもしれません。しかしそこまでしてでも、彼は自分が得たものを、次の世代、次の仲間たちにつないでいく(カップの6)ことに、自身の存在理由を感じているようです。

 最初のほうでも述べたように、彼自身の足元、彼の世界という彼自身の王国には、抱きしめあう王子とキツネのとてもうつくしい姿があります(力)。この固く熱い絆こそが、ヨハンを動かす力であり、彼を形成する世界そのものなのでしょう。彼の王国は常に彼自身ではなく、彼と、その絆の先にある仲間との間にこそ、存在するのです。

・ケルト十字スプレッド
 1中心:ペンタクルの1(逆位置)
 2交差:ワンドの7(逆位置)
 3基盤:ワンドのクイーン(逆位置)
 4近い過去:ペンタクルの5
 5起こりうる結果:恋人たち
 6近い未来:ソードの2
 7自分自身:ワンドの5
 8環境:星(逆位置)
 9期待と恐れ:節制(逆位置)
 10結果:ペンタクルのナイト

 すべては、バラ(ユベル)が遠い場所へ見捨てられたとき(ペンタクルの1(逆位置))、そしてそこへ炎を振りかざして火をくべる手下、コブラなど、使いの者が現れたときに(ワンド7(逆位置))始まりました。基盤にはもちろん、熱情の炎をもやし、望遠鏡でただ一点を見つめながら微笑む女王(ユベル)の姿があります(ワンドのクイーン(逆位置))。また、この女王の玉座の足元にも二匹の蛇の飾りや、咲き誇るバラがあります。

 近い過去、仲間たちは困難を乗り越えながら、ようやく目的地にたどり着こうとしていたようです(ペンタクル5)。ですがそこで待ち受けていたのは大輪のバラ(恋人)、ユベルでした。そうしてレインボードラゴンの召喚を経て、十代くんたちは元の世界へ戻ることになりますが、それは十代くんを盲目にさせ、バランスを少しでも崩せば友人さえも傷つけてしまうようになる、厳しい試練の始まりでもありました(ソード2)。

 ヨハン自身はレインボードラゴンの召喚を、蛇たちとの戦いの最後の決め手だと思い、自己を犠牲にすることをいとわずに向かっていったようです(ワンド5)。彼自身はただ全力で目標に向かったつもりでしたが、結果としてはそれが裏目に出ることになってしまいました(星(逆位置))。次元を超えて元の世界に飛び込んでいくという希望(節制)も、やはり裏目に出てしまいます(逆位置)。結局十代くんはヨハンを探すためにまた次元を超えてしまうわけですから……。

 最終的な結果として、知識や実りを抱えながら目を閉じ、穏やかで、なにか悟りを得てしまった様子の、ペンタクルのナイトの姿があります。ここまで心静かな人物は騎士としては珍しく、戦いに勝ちどきを上げる様子は想像できず、もはや戦わずとも勝利できるのではないか、と感じさせるほどのおおきな悟りを思わせます。
 おそらくこれが十代くんの姿でしょう。

 ここから先は単なるGXファンのつぶやきですが、ケルト十字の方は、気もちっていうよりも(これ、GXでみたやつだな……)という、ストーリーのおさらいみたいになりましたね。ケルト十字は瞬間の内面より、やはり、イベント的な時系列を表すスプレッドなのかもしれません。
 ていうか、いちいちユベルがバラというシンボルで現れるのがめちゃくちゃかわいくてよかったです。
 わたし自身、GXで納得できなかった時期、星の王子さまの「ぼくにはバラの責任がある」みたいなせりふを思い出してストンと納得できた経緯があるので、GX占いをするとき、星の王子さまのタロットを使うの、オススメかもしれないです。

 

 

 

GX:vsアモン戦でのエド消失

●アモン戦で敗北したエドの思い

1王冠、到達:カップ7
2叡智、高次の成長:ペンタクル8
3理解、重荷:カップ5
4慈悲、この世で手に入れるもの:ワンドのナイト
5判断、困難:月
6美、健康:ワンド8(逆位置)
7規律のなかの創造、永遠:死神
8求心:カップのペイジ
9想像、無意識:ソード1
10王国、広い意味での環境:ペンタクル1

 朝焼けに飛び立つ飛行機を見守る姿があります(カップ7)。自分は飛び立つことができなかったけれど、飛び立つひとを見送ろうという希望を託したイメージです。敗北し、目標を達成できなかったという挫折感はありますが(カップ5)、心残りで中途半端ではあるけれども、やれるだけのことはやりつくした(ペンタクル8)というこころもありそうです。この三枚のカードの感情が、実に複雑に彼のなかに存在していますが、やはりこの三角形のトップにある「美しい朝焼けを飛ぶ飛行機(おそらく未来を託した十代くん)」こそ、彼の真の気持ちと捉えるのがよいかと思います。

 彼は長い間ひとりで問題と向き合い、ひとりで戦ってきた人物であり(ワンドのキング)、共闘できる仲間が居るという状態に、まだ慣れていないかもしれません(ワンド8(逆位置))。そのため、誰かのために戦う、ということにはまだ迷いもありそうですが(月)、それでも今回、彼は戦うことを選びました。そして、足元の大切なバラ(エコー、あるいは誰かを想うこころ自体)を守ることを選びました。

 彼は人生で幾度も挫折し、そしてまた立ち上がることを繰り返してきました(死神)。
 今回のこともまた、そんな試練のうちのひとつであると、彼自身も理解しているでしょう。そんな彼のこころのなかにはどこか幼さがあり、子どものように振る舞いたいという心があるようですが(カップのペイジ)、彼の自我はそれを否定しているようです(逆位置)。

 彼はとても気高い人間であり、常に自らを高みに置こうと必死に努力しているようです(ソード1)。けれど、ときにはそれが行き過ぎていたり、彼自身を傷つけていることがあるようです(逆位置)。

 自身の消失という結末を経て、彼は、すべてを失った荒野にあるように見えますが、荒野の空には大きなコインが実りを表し、また、バラのつぼみが地面から顔をのぞかせています(ペンタクル1)。彼の行動の成果は、時が来れば、うつくしい芳香とともに花ひらくことでしょう。

 

 ●アモン戦で敗北したエドに対する、十代の思い

1王冠、到達:ソード3
2叡智、高次の成長:皇帝(逆位置)
3理解、重荷:愚者
4慈悲、この世で手に入れるもの:力
5判断、困難:塔
6美、健康:ワンド3(逆位置)
7規律のなかの創造、永遠:ソード10
8求心:ソードのナイト(逆位置)
9想像、無意識:月
10王国、広い意味での環境:正義(逆位置)

 劇中の斎王のタロットでも、十代くんを表すカードであるところの「愚者」が出ていますね。
 ただし今回、この愚者は、彼にとって重荷や障害の位置にあります。彼らしい自由な心が、三期では常に十代くんを追い詰め続ける様子を表しているようです。

 到達すべき目標の位置には、痛みと苦しみを表す剣のカードがあり、その剣に断首されようとしているのか、もしくは剣に絡みついているのか、定かで無いバラは、どこかユベルの姿を思わせます(ソード3)。

 これらの試練で、十代くんは大きく成長し(皇帝(逆位置))「力」を得ますが、そのためには何度も落下や崩壊を繰り返すでしょう(塔)。大きな成長の皇帝が逆位置であるところが、十代くんが望んで得た成長でないことを思わせたり、そもそも皇帝が出ているところに、カイザーの導きを感じさせたり、なんとも胸にくる光景です。

 中央の位置に、あるワンド3(逆位置)は、同じ位置にワンド8があったエドのことをを思わせます。この二人はどこか似ているところがあるのでしょうか、同じヒーロー使いであることの象徴かもしれません。

 幾度も繰り返される試練の位置には、ちいさな星の核に何本もの剣が突き刺さっています。このちいさくカラカラな砂漠の星、星を覆い尽くすようなバオバブの根で身動きもとれなくなってしまったのか、すがりつくように親友のキツネを抱く王子の姿があります(ソード10)。かなり過酷な試練が繰り返されているのでしょう、このちいさな星がこころを表しているとしたら、彼のこころはもう限界にまで追い詰められたように見えます。
 ソードの3を振り返っても、彼はひとりひとり愛する友人を失い、また、エドという友人を失ってしまいました。親友のキツネを抱きしめているこのカードをみるに、今回の試練のなかでも、十代くんはエドの選択を信じ、その気持ちを受け止めようとしているかもしれません。

 今は裏目(逆位置)に出てしまっていますが、本来は、友人とともに駆け回り、いろんなことを実現させていきたい人物のようです。(ソードのナイト(逆位置))

 十代くんは今、彼のなかで続けてきた正義に、深く迷っています(正義(逆位置)・月)。今はまだ逆位置ですが、その正義はかならず、くるりと元の場所におさまることでしょう。  
 彼の活躍を見守ってきた我々も、それは知っていることです。

 

 事件の瞬間の気もちをもうちょっとだけ掘り下げてみました。

1エドが敗北した瞬間の気持ち:ソード9(逆位置)
2気持ちに対する葛藤:ソード1
3気持ちに対する葛藤:ワンド10
4気持ちの変化:ペンタクル6(逆位置)
5最終的な決意:ワンドのキング

 傷つき、泣き崩れる男の姿と、それをなぐさめようとする王子の姿があります。果たしてどちらが十代くん自身の姿なのか。どちらも十代くんで、傷つきつつも立ち上がろうとしているのかもしれませんし、崩れるエドを支えようとする十代くんの姿であるかもしれません(ソード9(逆位置))。

 エドが敗北し、他の友人たちのように消えてしまったことは、また新たな試練であると十代くんは理解しているようです(ソード1)。ですが、それでもやはりこの重責に耐えられないという葛藤も見えます(ワンド10)。

 次第に、ネオスのカードを自分で作り出したときのような純粋な気もちや思い出をどうにか糧にしながら(ペンタクル6(逆位置))、試練を乗り越え、王の前にたどり着きます(ワンドのキング)。ちなみに王の前には、頭をもたげた蛇が控えています。この図はユベルと手下の姿を象徴しているように見えます。

 

 

 

大矢太郎/鬼塚鉄謙
占っていただきたいのは、『キューティクル探偵因幡』という、連載終了済み漫画作品に登場する、大矢 太郎(おおや たろう)×鬼塚 鉄謙(おにづか てっけん)というカップリング(通称『タロ鉄』)についてです。

何かと事件に巻き込まれる鬼塚鉄謙と、「俺には関係ねぇから…」「薄い付き合いしかないし…」「探偵(本作の主人公たち)が何とかするだろ…」と言いつつ、正義感からか情からか、いつも助けに行ってしまう大矢太郎、という関係です。

登場当初からセットで扱われ、「絶対に助けに来てくれる」と信頼を見せつけ、作中数年後にあたる最終回でも一緒に居る二人なのですが、あまりにも順風満帆すぎてハチャメチャ⭐恋のハプニング的なイベントがまっっったくありませんでした。

お尋ねしたいのは、『二人の間に物理的な距離が空いた時、彼らは何を考えているのか・何をするのか』です。
物理的距離が近い(ご近所さん)からつい気になってしまう…という切っ掛けで付き合っている人たちなので、遠距離の付き合いになったらどうなるのかなぁ…ずっと近くにいたから想像しにくいな……といった疑問点を、うおださんに占っていただきたく…!

長文になってしまいましたが、不足がありましたら申し訳ありません!お暇な時にお手をお借りできれば幸いです。



 こんにちは~いつもお世話になっております!ご相談いただいた、大矢さんと鬼塚くんについて占ってみました。

 まずはお二人について知るためにそれぞれを占い、次に原作での関係性を占い、最後にご相談内容である「物理的な距離が空いたときに何を考えているか、どうするか」を占ってみました。

 お二人それぞれについてです。

 お二人とも、生まれた環境から、自分の意志などで、環境よりも違う立ち位置に向かった様子が見えます。大矢さんのほうは特に、初期には生まれた場所に強く縛られていたかもしれません。その環境では実りが多いものの、自分の信念は見えづらいように感じます(-SUN)。この環境の猥雑さを取り除いたところで、自由になり、真の情熱を発揮できる人物のようです(-WORLD)。試練の位置にはまさに、試練の象徴である「HANGEDMAN」のカードがあり、相応の障壁を運命的に持ちながらも、それを潜り抜けてなんらか悟りを得たことを感じさせます。肉体の強さと堂々とした様子が、中央の位置にある女帝のカードに表れているように見えます(EMPRESS)。
 この女帝と対を為すように控える逆位置の魔術師の姿をみると、やや人間関係に不器用な様子というか、自分の気持ちを隠してひとと付き合ったり世界と対峙したりすることが苦手な方かもしれません。恩寵の位置にある「正義」のカードを見ても、正義感を持った一本気のある、情に厚い方なのかな(TEMPERANCE/LOVERS)という気がします。この情の厚さは試練的な要素として、ちょくちょく大矢さんにはたらくようです。
 また、全体的に女性のような繊細さや感情を感じるカードが多く、これは全体的に男性らしい確固さのある鬼塚くんとは対照的に感じました。感情がしなやかであるとか慈愛が強いとかそういった特性があるかもしれません。

 鬼塚くんは力強さを感じるカードが多いです。また、なんとなくですが父親的な人物の影響を感じます。親方?を尊敬している…というプロフィールを拝見したので、その方からの影響かもしれません(-HIEROPHANT/EMPEROR/-STRENGTH)。この人物からの影響は、彼の人生にとって強い武器となりそうです(-HIEROPHANT)。


 大矢さんと同じ恩寵の位置に、同じ「正義」のカードが出ており、もしかすると正義感や倫理などが近いのかもしれません。もしくはお互いに譲れない倫理観があるのでしょうか。鬼塚くんの世界を表す位置には、色彩のコントラストが渦巻くルーレットに乗せられた「運命の輪」の姿があり、不幸な事に巻き込まれるという鬼塚くんの体質をはっきりと明示しているようです。 このふたりに関係するカードとして、「塔」がよく出ます。塔のカードは、大矢さんの「王国」の位置、鬼塚くんの「峻厳」の位置、現在の関係性(セブンテーリング)の「現在の状態」に表れます。お伺いしていると、関係が良好のようですので、このカードが出るのは印象的です。
 「塔」は一般的にはよく「バベルの塔」のような姿で現れ、神のいかづちによって打たれて崩落し、繫栄しすぎた人間の愚かさなどの象徴として暗示されますが、このデッキでは倒壊している様子はなく、大きな黄いろの月の前で佇んでいます。今回の場合でのこのカードは「物語のなかで積み上げてきた時間や経験がこのふたりにとって大きな意味を持っている」ととってよいかと思います。大矢さんにとってこの関係性はたどり着いた場所であり、鬼塚くんにとってはやや試練のようにはたらきながらも、身になった関係であったようです。

 同じく黄いろが印象的なカードは同じく今回頻出する「恋人たち」のカードです。このデッキでは特に一本の樹のように固く抱き合っており、自己と同一視しているような安寧や信頼関係を感じさせます。不安定ながらも高く伸びた塔が、この恋人たちのような月の色の前に伸びていったことから、最終的にこの関係にたどり着いたことを思わせます。大矢さんにとっては「試練」の位置に恋人たちのカードがあり、鬼塚くんにとっては「情熱」の位置にあります。たびたび大矢さんが鬼塚くんを救うことが、大矢さんにとっては試練だったかもしれませんが、鬼塚くんにとっては天からの恵みのように感じられたかもしれません。


 先述のように、この二人の関係は「塔」にたどり着きます。大矢さんのほうは父親のような気もちだったり、相手を導いてあげるような気もちのようです(HIEROPHANT)。鬼塚くんはここにたどり着くまでになにか一度生まれ変わるような体験をし、真実の自分に向き合うことができたように見えます(DEATH)。
 大矢さんを表すカードが、鬼塚くんの尊敬するカード(-HIEROPHANT)の正位置なので、鬼塚くんが大矢さんになにかその人物の類似性を感じていることもあるかもしれません。どちらのカードも正面を向いていて真面目さを感じるのですが、特に大矢さんのほうはどっしりとした重厚さを感じさせます。それに比べると鬼塚くんのほうはやや線が細かったり色彩が淡かったりしています。なんとなくですが、鬼塚くんは「自分が収まるべき場所に収まった」というような印象を受けました。
 お互いが真面目だったり頑固だったりすることがたびたび障害になるかもしれません。そういうときはあまり考えに縛られず、やりたいようにやるとうまくいきそうです。

 肝心の、ふたりの距離が遠くひらいた場合です。
 大矢さんは光を失ったように感じて、元気がなくなってしまいそうです(-STAR)。余計なことなどで頭を悩ませることもありそうです。鬼塚くんは、お仕事かなにか、環境のことで自分を忙しくするかもしれません(HERMIT)。もしくはどこかへいなくなってしまうなど、精神的にどこか離れてしまいそうな気配があります。
 このふたりの関係がはじまった原因が、遠距離の関係において問題になる可能性がありそうです(-HIGHPRIESTESS)。たとえば「近所に住んでいたことが原因で仲良くなった」のであれば、距離を置いてしまったことで相手の心に気づけなくなってしまう、という感じです。たぶんですが、仲良くなった原因は、気づいてあげる思いやりだとか情熱とかにありそうなので、距離がひらいたことでそれが届かなくなったとか、空回りしているなどが考えられます。最終的には戦車のカードが出ており、これは直接会いに行くんだろうな、という感じがはっきり出ていておもしろかったです。対応策の位置にある恋人たち(-LOVERS)も、背景にある矢印などから、この戦車への動きを示唆しているように見えます。

 以上になります!
 お時間かかってしまってすみません、なにかしら、同人活動の励みになれば幸いです。また何かありましたらいつでもご連絡ください!

 

 

 

A3!:古市/雪白

 A3の劇団員の方がたですね。占うにあたって、pixiv大百科に記載されている古市さんと雪白さんのプロフィールを拝見しました。

 まずそれぞれの性質を拝見しました。

 古市さんは、「天から与えられたもの(生まれたときからの運命など)」はすべて逆位置が出ていて、情熱や(-wand1)家族に対する忠義のようなものを感じながらも複雑な様子なのですが(-GREENMOTHER/-OLDONE)、現実世界に近づくほど(スプレッドの上から下のほうに向かうにつれ)まっすぐな子どものようなカードが表れるので、微笑ましく感じました。
 任侠の方ということですが、その場に留まっていたい心や忠義心がありながらも、無意識には舞台の光輝く世界を見て憧れや迷いを感じ(MOONLIGHT)、今は子どもに立ち返ったような気もちで「とにかく挑戦してみよう」といったような姿勢であることが窺えます(challengeChild)。 カードで見ているだけでも情熱や力強さ、仁義を大事にしたり、迷いながらも、素直な気もちが伝わってくるお方だなと思います。

  雪白さんはとても愛情深い方のようです。中央の柱に、愛する子どもを膝に乗せたり、恋人を膝枕しているカードが表れています(GREENMOTHER/LOVERS)。ただ、その中央の柱を取り巻くようにある「恩寵」と「試練」には、それぞれ相対するような、とても印象深いカードが並びます。特に、黒い全身鎧をまとった騎士(-seekerChallenge)と、森で暮らす心優しくも厳しい狩人(-HUNTSMAN)のあいだ、とてもリラックスした様子で見つめ合う恋人たち(LOVERS)、そしてその下の、逆位置で寄り添う老女と獣(-STRENGTH)という、現実世界と向き合う際に反芻される四枚は、雪白さんのこころの葛藤を強く表しているようです。
 おそらくですが、雪白さんは人間を愛しているのに、人と対するときにはうまい外交の仮面をかぶることができすぎてしまい、ご自身の真実のこころを出せないのではないでしょうか(-MAGICIAN)。それが今までの生活では強い武器となっていたようなのですが、いざこころの底から人と触れ合いたいと感じたときに、その、癖になっているともとれる仮面の演技が、たいへんな鎖となってしまう方のように見えます。
 役者さんはある意味仮面をかぶって演じる方がたですが、仲間とのほんとうの信頼関係を求められるシーンなどでうまくやり過ごしてしまえるせいで、真実の姿を見せられずに信頼を得られなかったり、信頼されたとしても「それは本当の自分ではないのだ」と苦悩される方かと思います。

 おふたりの関係を占ってみましたが、時間が経つごと、やはり雪白さんは「秘密や、言えないことがあって苦悩している(-spellSeaker/-challenge8)」ことを強く表すようなカードが表れています。求めることも「嘘つきではなく、真実を見せること(-LIAR)」です。この姿勢はきっと、ご自身だけでなく、相手にも素直であってほしいことを求められるのではないかなと感じました。
 対して古市さんのほうには「暗い森の底にある真実の花を見つけてあげたい」というようなまっすぐな気もちがあるようです(seakerSpell)。このカードと、雪白さんのカードである「ねじれた森のなかにいる嘘つき(の逆位置)」が揃った構図はとても美しいので、ちょっと大きめの写真に撮って載せておきます。
 最初は水面に映った月のようにどれが本当の姿か理解していなかった古市さんも(STARLIGHT)、暗い森の中でそっと咲く、雪白さんの真の姿を見つけてあげられるときが来るかもしれません。

以上になります。なにかご考察の一端になれば幸いです。このたびは新しい作品や人びとを知るご機会を有難う御座いました。とても印象的なスプレッドが表れる、魅力的な方たちでした。 また何かありましたら、お気がるにお申し付けください。今後の同人活動によい兆しがありますよう!

 

 

 

A3!:有栖川/御影

 占うにあたって「劇団員の集まり」のコンテンツであること、あと有栖川さんと御影さんのプロフィールを簡単に拝見しました。

 有栖川さんの過去から現在までをすこしひらいてみたところ、カップを手にしている人物が多くのカードに驚くほど頻出しました。カップ(水)は溢れる情感や感受性、分け与えることのできる慈愛などを示しています。芸術家肌の方とのことなので、その感性の深さや豊かさが非常に多く表れているのかなと思います。きっと愛情深いキャラクターでもあるのかなと感じました。ただ、はじまりの位置には創造を示すTEMPERANCEが逆位置で出ており(この人物も壺(カップ)から水を流しています)、なにか望まない創作を強いられたり、もしくは思うような創造ができない時期が長くあったように思います。基本的にカップを持った人物の正逆がくるくる回る、失敗や成功を思わせるカードが続きます。 印象強いものとして、途中で抱擁されるカードがあり(LOVERS)、その際には御影さんのカードに安心させるように相手を抱擁するカードがあることから(STAR)、強く信頼関係を結び、お互いを安心できる相手だと確認できるイベントがあったように感じます。

 御影さんの始まりは経済的、立場的に安定した場所からスタートします。ただ途中でなにか思いがけないことが起こり、新しい世界に旅立ったカードがドラマティックに現れます(-DEVIL/TOWER)。記憶がないとのことなので、そのイベントに関係していそうです。その後一転、今までの豊かな場所/服装から、服をはだけさせて挑戦的に立つ人物が表れます。このカードだけ明らかに洋画から日本画の影響があり、どこか舞台のような背景になっていることが、「舞台という場所で、劇団員としての立ち位置を得たのではないか」と連想され、非常におもしろい並びが出たな~と思いました。とても堂々としている様子から、普段の印象とは逆のキャラクターもこなせる、天性の演技の才を持っているような人物なのかなと思いました。王族を思わせるようなカードが多く、どこか育ちの良さや気品を感じさせます。また、いざというときの判断力に優れた人であるようです。まっすぐにこちら側に向かって立つカードが際立つことから、嘘のない素直な性格、自我の強さが見て取れます。有栖川さんはやわらかい線の女性の人物カードが多いことに対して、御影さんは落ち着いた王さまのようなカードが目立ちます。 

 お互いの印象と関係についてです。 

 御影さんから有栖川さんへの印象は可なりよかったようです(SUN)。独特の芸術センスや彼の個性が、とてもまばゆく、魅力的に映ったのかもしれません。対して有栖川さんから御影さんへはそれほどでもなく、彼の実力を過小評価していたとか、第一印象から受け取る以上にはあまり考えていなかったとか、そういった様子が見て取れます(EMPEROR)。
 途中、お互いのことについて、とても迷った時期があったようです(-SWORD1/FOOL)。有栖川さんはふたつの価値観の間で判断力を失い、御影さんはさまざまな風景の前で深く苦悩しています。たとえば一緒に舞台の上に立って重要な役柄を演じる機会があったものの、そこで衝突してしまったとか、今まで見えていた第一印象の側面だけではなく、もっと深くお互いのことを知らなければならなくなり、その絆がなかなかうまく進まなかったとか、そういったことが考えられます。

 現在はちょっと驚くほどよい関係というか、もしかすると、共依存の可能性があるようにも見えます。有栖川さんは御影さんと過ごす時間に身をゆだねて安心して眠っています(-MOON)。二人が思考する際には、御影さんのほうに主導権というか、彼が舵を取っている様子が見えます(-STRENGTH)。もうひとつスプレッドをひらいてみたのですが、やはり相手を大事に思ったり(-pentaclePage)、つよく信頼しているカードが出てきます(-LOVERS)。プライベートだけではなく、同じ舞台の仲間としても欠かせないパートナーだと感じています(-wandPage/-swordQueen)。この信頼関係を持って、舞台の上では、有栖川さんはご自身の創造性や情熱を持ち味にした、(お好きだとプロフィールにあった)シェイクスピアの悲劇のリア王を思い起こさせるような見事な演技力を発揮し(-wandPage)、御影さんはやはり天性の才を活かした堂々とした姿で立っています(-swordQueen)。 有栖川さんは今の関係がとても心地よく、継続してほしいと願っているようです(-JUDGEMENT)。一方、御影さんは、ご自身の真っすぐな性質や道義心、そして舵を取る立場からか、正しい選択をして未来を選び取っていかなければならないという気もちがあります(-JUSTICE)。今のところ二人とも共依存的な関係になっていることに気づいていない可能性がありますが、それに気づいたときに戸惑うのは御影さんのほうかなと思います。 

 なにか考察の一端になれれば幸いです! 不勉強ゆえ、途中お気を悪くさせる表現が御座いましたら、たいへん申し訳ありません。ご容赦戴ければ幸甚に存じます。このたびはご依頼賜りまして、有難う御座いました! またなにかありましたら、どうかお気がるにお申し付けください。

 

 

 

i7:一織/七瀬

 アイナナの一織さんと七瀬さんについて占いました。

 →一織さん
 風のようなしなやかですばやい判断力のある、とても頭のいいひとのようです。強みでもあり、ともすれば弱みにもなる自分の個性と向き合いながら、常に内省を繰り返し、成長してきた様子が見えます(CRONE/coinFather/-coin1)。愛情や思いやりのある人なのですが(HIEROPHANT)、その感情の発露はまだ幼さがあり(cupSon)、いざ人付き合いとなるとワンマンな面が出てしまったりして(EMPEROR)、ご自身で苦手に思っているか、最初はわるいほうに受け取られてしまう方のように見えます(-TEMPERANCE)。正位置が多く、全体的に落ち着いた印象です。自分の弱点を理解しながらもうまくコントロールできないことがあるかもしれません。
 その弱点に関係あるかはわかりませんが、過去、自分の中の常識にそぐわず、思い通りにいかないことがあり、おおきく戸惑っていたようです(-TEMPERANCE)。外交が苦手なようなので、そのことと関係があるかもしれません。カードがすべて七瀬さんからそっぽを向いているので、この際は自分の心を見失いながらも、自分のことで手一杯で、七瀬さんのほうを考える余裕はなかったとか、まだ出会う前であった可能性があります。途中、一転して相手のことを慮るイベントがあります。見失っていた一織さんの心や目標と向き合うイベントが、七瀬さんと関係していたかもしれません。
 現在は彼自身の平常心を取り戻し、今まで自分の育ててきた経験や情熱を静かに見守る余裕がありそうです。重い鎧を取って、もっと身軽に活動したい欲求があるかもしれませんが(FOOL)、現状を表すカードが彼の理想に近いものなので(wand1)、今の姿は彼なりに満足がいくもののように見えます。時間が進むごとに華やかな背景から荒地に向かっていくので、挑戦心が強い方かもしれないな、と感じました。

→七瀬さん
感情が豊かで手に持った盃をみんなに振舞っていたい方です(-coinFather)。それが示すように人間関係での成功があり、仲間に恵まれています(LOVERS)。外交は得意、というか、進んでやっていくか、任される方なのかなと思いました(-MEDIATRIX)。ただ、「外交が得意」「人間関係がよい」と断言できない面があるのは、肝心なカードが逆位置に出ていたり、正反対の属性が試練の側にあったりすることです。ちょっと見たことのない構図なので難しいところですが、情熱や熱量が強すぎてそれがたびたび彼の試練となったり(flame1)、まっすぐすぎて、他人とぶつかってしまうことがあるのかもしれません(-flameFather)。ただ試練を乗り越えたときには、燃え盛っていた強すぎる炎をおさめ(flameSon)、自らの過ちや態度を素直に認めることのできる、若いながらも判断力のある方なのかなと感じます(featherDaughter)。もしかすると逆位置で出ているところは今後成長していくところで、今はまだうまくやりきれていないところが、今後は見事にコントロールできるようになり、成熟した大人になるのかもしれません。 強い炎のカードがとても多く、現実界と接するうえで何度も繰り返す「訓練」の位置に「太陽」が出ている、印象的なキャラクターです。とても強い、強すぎるといっていいほどの情熱を感じさせます。
一織さんが七瀬さんのことを気にかけるカードがあったことに比べると、七瀬さんは自分の心や感情にいっぱいいっぱいになって、他のことをみる余裕がないカードが多いように見えます。伊織さんが風のように軽がるとしたバランスを取れる人間でありたい、と思っていることに対して(FOOL)、七瀬さんは豊かな大地をさらに豊かにし、しっかりと安定した理想郷を築き上げていきたいタイプの人物のようです(pentacleQueen)。時折自身にひらめく思考の力を、常に安定して持ち続けたい欲求があるかもしれません(featherDaughter)。過去、思考が足りずに失敗してしまい、物事を好転させられなかった経験や(-featehr1/-WHEEL)、外交でうまくいかずに人びとの懸け橋になれなかったと感じた経験があるようです(-MEDIATRIX)。それを考えると、外交面というよりは知性やひらめきの面で、七瀬さんが理想とする思考や判断力を、一織さんは持っているといえます。 現在は落ち着いた状態にあるようですが(coinSon)、ちょっとわがままになってしまっているとか(-EMPRESS)、まだ外交面でどういう行動を選択したらよいのかわからないところがあるかもしれません(-MAGICIAN)。 

 何度もスプレッドをひらいたのですが、なかなか難しく、特にタイムライン(時間の流れ)での変化をみるのが難しいお二人で、時間の流れについてはふわっとした書き方になってしまってすみません。もっと細かくひらいてみないとわからないお二人なように感じました…とりあえず個性や性質の面を中心に見させていただいたのですが、経験不足な面などありましたら申し訳ありません、ご容赦いただければ幸いです。 なにか考察の一石になればうれしいです。このたびは有難う御座いました!

(以下は後日もういちど占った結果) 

→七瀬さん
 母はわたしに安全と、成長のための知識をくれた 父はわたしに、どうすれば強くなれるかを教えてくれた
 妹はわたしに、変化の法則を見せてくれた
 わたしは先祖からの鎧を脱ぎ捨てた
 自分のこころのうちへ感情が向かうと、力の入りすぎた腕は緩み始める
 ヨギの秘術に沿い自分の身体を手放そう
 すると形ばかりの古い世界は崩れ去り、脊椎の先の聖なる骨に新しいつながりが宿る
 この力に乗ってわたしは自分のやわさと弱さを感じる
 わたしの領域は変化していく
 尊敬と目覚めで、わたしは新たなものたちへと自分自身をひらくだろう
("Son of Flames" Margrete Petersen Tarot の詩の意訳) 

→一織さ
 わたしは母なる大地である
 わたしは成長と老いである
 わたしの身体と視界はひろくあいて存在する
 生命たちはわたしを緻密なストロークで塗り上げて、森や花々、果物、植物、動物たち、そしてそれらをこの世にもたらす交わりを生み出した
 わたしは養分を与えるものである
 わたしは骨に肉を与える
 月がその形を変えるとき、わたしの身体には赤い線が走る
 わたしはくるぶしに、脚に、骨盤に、腹に、組織に、筋に、間接に、腕に、てのひらに、心臓に、そして頭に存在する
 血がどのようにして体内を脈動して巡るか、その脈の細部までを知っている
 市場や財のめぐる庭や野でもわたしを見かけることがあるだろう
 わたしは金貨の力を知っている、それらの両側面を────富と貧、豊富と希少さを
(Reverse of "Mother of Coins" Margrete Petersen Tarot の詩の意訳)

  MargaretePetersenのタロットは説明文が詩で載っていて印象深いのですが、特に七瀬さんのほうは読んでいて泣きそうだったので意訳してみました。サッと訳しただけなのでちゃんとお伝えできるかどうかわかりませんが、お目通しいただけると嬉しいです。

  一織さんのほうはこの詩が逆位置で出ているので、書いてある通り、万物にあるアルケーやロゴスのように捉える…というわけではなく、その万能性や知性のため、ちょっと鼻持ちならない雰囲気でみていただくのがいいのかもしれません。 

 一織さんと七瀬さんをペアで考えるとすれば、七瀬さんは身体を捨てて骨を意識し、やや空間的に上の次元にいることに対して、まさに一織さんは現実界に生き、そこで生きるための肉を与えることができる母の力を持っていることでしょうか。今はまだ逆位置で出ているのでそのときではないかもしれませんが、いずれ一織さんがもつ力が七瀬さんに必要になるときが来るように思いました。

 あんまり陸さんのことがわからなかったのでちょっとpixiv百科事典を見ちゃったのですが、長く実りのない闘病を表すようなTOWERの逆位置が七瀬さんの過去のはじまりにあります。なにかよいことがもたらされたのか、優しくあふれんばかりの母親の慈愛を表すcupMotherが続き、次に、彼の道理や正義が揺らがされるような大きなイベントがあります(-JUSTICE)。その達成のためか、彼は心強い仲間を手に入れることができたようです(LOVERS)。
やはり前回の占いであったように外交面が試される事件があります(-MAGIC)。もしかすると仮面をつけるように促されたかもしれませんが、七瀬さんの性格を考えるとそれは厳しい試練であったでしょう。現在はやや落ち着きを持って安定した状態で、どちらかというと仲間より上に立って相手を気にかけているかもしれません(HIEROPHANT)。

 一織さんの過去はWHEEL of LIFEというカードで始まります。ふつうのデッキであれば「WHEEL of FORTUNE」ですが、わざわざ「WHEEL of LIFE」がこの面で出たのは、七瀬さんの対照になり、とても印象深いです。なにか幸運があってアイドル活動を始められたように思います。その次にはFOOLが続き、おそらくアイドル活動というものが未知の世界で、自由に旅をするような気分だったのかなと感じました。そのあと、前回の占いで出たように、自分の心に前向きに向き合うチャンスが訪れます。ここまでは順調に見えますが、突然、今までの彼の思考や判断力では太刀打ちできない事態が起きるようです(featherMother)。我慢が利かずに彼の能力である思考を放棄してしまったかもしれません(STRENGTH)。現在は心に情熱を秘めながらも、それに自身が燃やされるようなこともなく、落ち着いた状態であるようです(flame1)。これからその情熱で何かに立ち向かっていくことができそうです。 

 

 

 

主人公/カミュ

 (ドラクエ、8以外の10までしかやったことないのですが、たぶん主人公に名前が無く、個性はプレイヤーによって決められる…と感じで、ドラクエらしさやプレイヤーさんの世界観をあまり壊したくない気持ちがあるので、あくまでこの占いによる一例としてご覧ください)

 まず主人公くんについてです。
 いかにも主人公らしい試練を繰り返す様子が見えます。「生命の樹」というスプレッドを使いましたが、幹に当たる中央の柱がすべて逆位置で出ており、これは「キャラクターの意識」というよりもまさに天(プレイヤー)によって運命が左右されるキャラクターであることを示しているように感じました。道義心があり(JUSTICE)、様々な試練や(HANGEDMAN-rv)様々な選択肢とそれを選び取る力を持っていますが(MAGICIAN-rv)、最終的な判断は天に委ねられていると取っていいでしょう。こういうタイプのゲームのことを占ったのは初めてですが、こういった形で表現されるのはとてもおもしろいです。
 その性質上かもしれませんが、自分の感情を正しくとらえることに対して不器用かもしれません(cupKnight-rv/cupQueen)。繰り返される試練の中でも、何度も自分の感情とは?自分の中にある道理や正義とは?とひとりで自問するタイプのキャラクターです。自分に対しては不器用なようですが、数々の素晴らしい仲間を手に入れることができ、自分の世界を手に入れるような大きな達成の力を持っています(WORLD)。
 おそらく、王族とか貴族とか、立場か血筋がよい生まれのように思います(EMPEROR/EMPRESS-rv)。ただしそちらは試練として出ており、よい生まれであったからといって、その立場を享受しているのかというと、そうではない模様です。むしろ、そのことが、たびたび彼の乗り越えるべき、手放すべきものとして出てきます。逆位置のEMPRESSとcupのKnightが向かい合っていることから、最終的にはやはり自分の心で自分の暮らす場所や居場所を決めることになりそうです。自分の試練と向き合ったとき、彼は常に旅に出ることになります(FOOL)。
 欲求の位置にあるカード(pentacleKnight-rv)の人物は、簡素な装飾と鎧をまとった馬に乗り、達成の証であるコインを持った騎士の姿です。望んだものを手に入れる力があり、達成しても落ち着いている余裕のあるキャラクターのようです。

 次はカミュくんについてです。同じく「生命の樹」というスプレッドをひらきました。
 手に入れてきたものを失い、迷うことがありながらも、新しく築き上げるというサイクルを繰り返している人です(TOWER)。ただしこれは恩寵の側に出ており、これを繰り返すことで、彼の求める場所や安定を少しずつ得て、上昇していくことができます(TOWERが訓練の位置にあるMOONと対峙するような構図になっているのが印象深いスプレッドです)。
 意識が自己に向いたときには自分の感情に酔いしれて、ちょっとナルシスティックになってしまう一面がありそうです(cupPage)。しかし感情の豊かさというか慈愛の強さは彼を進歩させていくよう力のようです(cupKnight)。平野のカードやお城の外のカードが目立つので、主人公くんに比べると、彼は野で生きているタイプのひとかもしれません。ただこの野性味というか経済的に恵まれていない立場が、彼の人生を切りひらく武器でもあります(pentacle1-rv)。
 欲求の位置に「正義(JUSTICE)」があり、自分のなかの道理や判断性が強いひと…ととも取れるのですが、直感的に、ゲーム的に「プレイヤーが判断する選択肢」によって命運が分かれるキャラクターで、プレイヤーによる正しい導きを求めているキャラクターかもしれない、と感じました。
 無意識の部分には、「運命の輪の逆位置(WHEEL-rv)」があります。ちいさな椅子に腰かけ、足元の天使に話しかけている女性の様子です。愛情深く、守るべき相手のことを常に気にかけている様子が見てとれます。逆位置で出ているので、じゃっかんお節介にまで回ってしまうとも取れるかもしれません。守るべき相手を手に入れた彼は太陽のような素晴らしい力を得、真の理想郷で調和のとれた能力を発揮します(SUN-rv)。
 彼の無意識にある「運命の輪」、基盤にある「太陽」含め、この平和な美しい構図に向かうにも、プレイヤーの導きがとても重要なように感じます。

 最後に、物語のなかでの、ふたりの成長についてです。変形フォースプレッドをひらきました。
 主人公くんの時間の流れですが、見事に「荒野から身一つで始まり、徐々に力を得、独立した王となる」過去から現在までの姿が表れています(swordPage/wandPage-rv/)。最初は手に持った剣ひとつで荒野から始まり、情熱や愛を手に入れて徐々に背景が豊かになるごと満たされていき、最終的には手に持った盃の中身を遠慮なく仲間たちにふるまえるような、慈愛深い善き王の姿にたどり着きます(cupKing)。しかし本人の意識にはどこか、安定よりも旅を求める心があるかもしれません(DEVIL)。
 最初に相手を気にかけているのはカミュくんのほうのようです(cupKnight-rv)。主人公くんのカードが自分の判断や行動の象徴である剣を見つめていることに対し、カミュくんのカードは主人公くんのほうを向いています。もともと愛情深く優しい方のようなので、その性質が影響しているようです。
 ただ物語が進むと、カミュくんのほうで、何か重大で、気にかけなければならない大切な存在があり、その際には主人公くんがカミュくんのほうを気にかけてあげるようです。なんとなく…確か…程度の風のうわさで申し訳ないのですが、このカードだけタイムラインに女性の姿が表れるので、もしかするとカミュくんの妹さんのことかなと思いました(確か妹さんがいるって聞いたことある気がする…)。もしそうであれば、カミュくんのカードに女性の姿が大きく表れるタイミングは、彼の妹さんが関係した場合が多いかもしれません。それを踏まえると、カミュくんの理想は妹さんの平和にありそうです(HIGHPRIESTESS)。理想のほうにあるカードがお互いを向き合っているので(DEVIL/HIGHPRIESTESS)。このおふたりの相性はよく、お互いをきちんと気にかけているように感じます。別のスプレッドで「力(STRENGTH)」が出たので、ともに苦労を潜り抜けた、よき相棒同士なのではないでしょうか。
 最終的には、立場が違えど、ふたりとも立派な王の姿にたどり着きます(cupKing/wandKing-rv)。主人公くんはかつて自分の中にはうまく見つけられなかった愛情を手に入れ、カミュくんは情熱と、彼らしい愛情、機動力などを持って堂々と立つ王のような風格を手に入れます。背景は違いますが、立っている地面の花などが同じなので、もしも立場が違ったとしても、同じ大地に立つふたり同士なのだろうなという印象を受けました。


 同棲ルートがあるそうなので、その際の二人の関係性についてです。セブンテーリングと変形フォースプレッドをひらきました。

 特に同棲が始まるタイミングでは、お互い最上の相手を見つけた、というこころもちがありありとふたりのカードに出ています(LOVERS/SUN)。どちらも新しい夜明けを迎えたような、とても美しい構図で、ぜひ見ていただきたいので、大きめに写真を撮って載せておきます。
 一緒に居続ける場合、ちょっと停滞感のあるムードになるかもしれません(HANGEDMAN-rv)。これがゲームとしてセリフが固定されているので…というシステム上の限界を表していたらスクエニにはごめんなさい…。カミュくんは持ち前の愛情深さをいつまでも相手に注げるようですが(TEMPERANCE)、主人公くんはひとりで内省したり考える時間が欲しいタイミングがあるようです(HERMIT)。直情的なカミュくんに対し、主人公くんは自分自身の個人的な感情を理解しきれない、自分のこころに対して鈍感なところがありそうなので、その辺りが関係していそうです(cupQueen)。
 やはりドラゴンクエストらしく、わくわくとした冒険に情熱を持ち、大手を振って出かけていくのがおふたりにとって最上であるという暗示が頻出します(CHARIOT/wandKnight/swordKing-rv)。相手を含めてさまざまな仲間を大事にすると、なおよいようです(WORLD)。常に世界を旅することで、いつまでも枯れない関係が続くと思います。  主人公くんは旅に出たがっているのに対して、カミュくんのほうは一緒に居たがったり相手をもてなしてあげたいカードが多かったのでちょっとおもしろかったです。


勉強がてらで恐縮ですが、主人公くんのことを詳しく占ってみました。

 様々なことが使命として求められています。
 仲間と意志や力を合わせること(wand5)。欲張ってすべてを背負いこむのではなく、必要なだけの武器を選び取ること(sword7)。ときには危険を冒して前進する勇敢さ(swordKnight)、また、その勇敢さは単に無謀というわけでなく、無意味な争いからは自ら退くことのできる、別の意味での勇気や忍耐も備える必要があります(wand9/STRENGTH)。誘惑を断ち切り(wand8)、あるときは自分が傷ついてでも真実を選ぶ心の強さ(-sword3)、情熱や慈愛の深さなど、実に様ざまな、物語に対する使命があります。物語が進行するにつれ、彼はこれらの能力を手に入れていくでしょう。

 たびたびつらい選択を迫られることがありますが、彼の正義と道理に沿い、また、仲間と協力しながら道を選び取っていきます(JUSTICE/wand3)。たいへんな戦いが続く中、剣を重ねた結果、戦った相手と友情をはぐくむことがあるようです(wand7)。家族のことを振り返る瞬間があるかもしれません(cup6)。無意識には、寄り添う仲間や師(wand6)、故郷(cupKnight)、現実と理想(pent3)、選ぶべき選択肢などさまざまなイメージがあります。
 啓示のまま選び取った選択に導かれ、新たな人生とでもいうかのような次元へ旅立ちます(HIGHPRIESTESS/JUSTICE)。そのためでしょうか、最後の祝宴に彼は参加できないかもしれません(cup9)。いずれ、出会った相手と別れることになったり、誰かの旅立ちを見守ったり、そのような別れを繰り返すかもしれませんが(cup8)、記憶という太陽は彼のなかに在り続けるようにおもいます(SUN)。

 幾度もの冒険、旅立ちは、彼のなかで強く輝くおおきな力のひとつです(CHARIOT/FOOL)。夜に顔を向けてひとり悩むことを繰り返しても(MOON/HERMIT)、いずれ力強く前向きに己の道へ進んでいくでしょう。そのためには自らの欲求を振りほどかなければいけないことがあります(DEVIL)。ときには故郷を振り返ったり(wand10)、戦いから身を休め、盾を下ろし、自分だけの宝物を見つめる時間があるようです(pagePentacle/pageSword/HERMIT)。その宝や、内省の時間が、険しい山や敵に向かうためのおおきな力となります(pentacleQueen)。

 慈愛深く献身的に他者を助ける姿が見えます(HIEROPHANT)。冒険のなかで得た得た富や財産を他者に分け与えることもあるでしょう(pentacle10)。控えめに見えるかもしれませんが、仲間を想う力がとても強いように見えます。欲求の部分には仲間と背中を合わせていたり、顔を見合わせているカードがとても多いです(wand4/sword2/cup3/cup10/cup7)。そのためか、傷つき倒れたときには多くの仲間たちが彼を癒し、支えてくれます(sword10)。雨風の激しい嵐の中、仲間に導かれ、仲間を導きながら、共に絶えて進むことができます(pent5)。仲間は異国からの友であるときもあります(pentacle9)。  いずれ曲がりくねった道へひとり柵を超えて旅立つことになりますが、今までの仲間たちとそっと荷物を交換しています(sword5)。これは今までの経験や記憶を旅立ちへの鞄に詰めて、新しい世界へ向かう困難な旅へ向かうことを意味していると感じます(sword6)。

 そのときがやってくれば(WHEEL)、守るべきもの、今まで得た輝かしいすべてのもの(STAR)、そしていとおしむように両腕に抱えた大切な仲間たち(LOVERS)のため、彼は新しい世界へ旅立つことを決意するでしょう(DEATH/SWORD9/wandKnight)。

 彼の背景に強く存在するのは、天啓のための試練(HANGEDMAN)、新たな国への旅立ち(TOWER/pentacleKing)、ひとり夜明けを待つ戦いと戦いの間の休息(swordQueen)、倒れたときに支え合う仲間(sword8/cup4)です。

 

 

 

i7:百、千

占いについて、アイナナのモモさんとユキさんのことを占わせていただきました~。 →百
 過去になにか大きな挫折を経験している方のようです(TOWER-rv)。ユキさんが(たぶんユニットのパートナーである)モモさんを気にかけている様子であることに対し、モモさんは自分や仕事や人びとのことを考えたりするタイプかもしれません。
 途中、過去に起こった事柄から発生する大きなイベントがあり、水から反対する火の属性に流れたことから、大きな苦労があったかもしれませんが、それがうまくまとまって(cupKingからTEMPERENCE)、めでたく一件落着…と取れるような状態になったようです(WORLD)。過去の件が落ち着いたことで自信を持っておおきな安心を得、未来のことや、周囲のことを見る余裕が生まれました。元より気のいい王さまのような風格を感じるところがあるので、本来の姿に戻れたとか、それがさらに進化して、民のことを慈愛を持って気に掛けることができたり(HIEROPHANT)、新たな気もちで目標を見つめたり(wandPage)することができるようになったようです。現状はとてもよい状態に見えますが、やや視線の先の定まらないところがあり、なにかに熱中しすぎて目標を見失いがちな性質の方かもしれません。ただ、過去から現在にかけて構図の合致するカードがよく出ていて、目的に対して真摯に向き合いたい気持ちが表れていると思います。

→千
 前述しましたが、仲間を気にかけている様子があります(モモさんとの境界にあるカードの人物がほとんどモモさんのほうを向いている)。ただ現状では体のほうはモモさんを向いているものの、視線をやや逸らしており、その視線の先には彼の目標とするカードがあることから、自分自身の目標を考える余裕がうまれてきたと取れます(FOOL)。
 以前、我慢が利かずに(DEVIL-rv)、空想の理想郷を思い描きながら、盲目的にどこかを離れたかもしれません(pentacleQueen)。その理想郷は世間知らずな面か理想性を表すかのように非現実的だったものの、途中、きちんと成就させられるイベントが起きました(pentacleKing)。この転換が彼に大きく力を与えたようです。
 今はとても自由な気もちであるようです(FOOL)。忍耐強さを身につけたという自信が彼を強くしているようです(STRENGTH)。彼の理想としてはパートナーに気を取られたり頼ったりするのではなく、きちんと独立して相手を導いてあげたい気持ちがあるようなので、そちらに向かっていけるとよいのかな、と感じました(swordKnight)。この理想のカードは風の属性で、思考や判断力や勇気を求められることに対して、過去の彼の属性は正反対である土属性が多く、変換には大きな苦労を伴ったと思います。しかし、現状を示す「愚者(FOOL)」は風の最上級と呼ばれるカードです。彼の理想へ届くにはじゅうぶんな経験を積んでおり、あと必要なものは絶え間ない勇気である、という暗示に思えます。

以上になります。
Twitterのほうにスプレッドの画像を添付いたしますので、よろしければご覧になってみてください。
いろいろと不勉強の目立つ拙文ではございますが、なにかご参考になれば幸いです!

 

 

 

ダンマカ:クウラ
 まずダンマカがあんまりわからないので、以下の三つのスプレッドをひらいてみました。

・キャラクターの性格(生命の樹スプレッド)
・クウラさんにとってのダンスマカブル(ケルト十字スプレッド+2)
・キャラクターの基本的な流れ(フォーオラクルスプレッド+2)

 ダンスマカブルという単語の意味がわかっていなかったのですが、「死の舞踏」を意味するのですね。ちょうど、このデッキでは、「死神(DEATH)」に当たるカードは運命の女神の前でさまざまなものに翻弄されながら舞踏をふむようなポーズを取っており、イベント開始時からほどなくしてクウラさんの行方を表すカードに、DEATHが逆位置で出ています。やや望まない形でこの物語に翻弄されていくのかもしれません。
 クウラさんのスプレッドには、何度も「魔術師(MAGICIAN)」が登場します。おそらくこのカードがクウラさんというキャラクターの人格や性格、役割を表すものではないかと思います。MAGICIANは一般的に外交能力が高く、エネルギーに溢れ、新たな世界を創造できるような強い能力や技術、いくつもの選択肢を持つカードです。イベント開始時の状態(HIEROPHANT)と合わせて考えるに、クウラさんは人の上に立ち、なにかを伝えたり諭したり布教したりする意識のある、教師や伝道者に近い立場にあるのではないでしょうか。生命の樹というスプレッドの根元にはそのMAGICIANが強固にあるにも関わらず、樹の上部、天に近づくにつれて、洗礼や試練などの運命に翻弄されて大きく揺らぐような強いカードが揃っています(TOWER、MOON、STRENGTH、DEVILなど)。高い知性に対して、迷いと衝動性もあるようです。クウラさんの、使命に対する強い責任感や忍耐力が、彼に試練を与える形になったようです(HANGEDMAN、STRENGTH)。
 クウラさんの使命や行動に強く関わる人物として、今までの占いで見ている限りの情報でおそらく…という感覚なのですが、八(死亡ルートのある方)のカードが出ているように感じます。前向きに八と関わるつもりで数々の試練に立ち向かったように見えます。
 途中で起こったことに対してはいずれも「運命の輪(WHEEL)」が出ており、これは、大きな運命の転換が起こったことを示しています。正位置であり、か細くこじんまりとした椅子ではあるものの、そこへゆったりと腰掛け、足元の天使を見守っている女性のカードの様子から、伝道者らしい彼の立場からその転換へ臨んだ様子が窺えます。
 最終的には「塔(TOWER)」「ペンタクルのキング」が出ています。物語の終結として彼は今まで積み上げてきたものをすべて失うような結果になったようですが、それは同時に、新たな世界への出発であったようです。また、彼は孤独ではないように見えます。伝道者(MAGICIAN)としての立場にあった彼には、ついてきてくれる仲間がいたのかもしれません。
 結果としてはいろいろなものを失ったかもしれませんが、クウラさんの運命に対する前向きな姿勢や(WHEEL)、彼の八と思われる人物に対する姿勢(cupKing/wandPage)、最終結果のカードを見るに(TOWER/kingPentacle)、クウラさんは自分の使命に対して常に強い心で立ち向かい、なにか新しい旅立ちや居場所を得たように見えます。

 ほんとうに推測なので恐縮ですが、なにか考察の気分転換になれば幸いです。失礼な点がありましたら、どうか不勉強をお許しください…。
 Twitterのほうに、実際のスプレッドや、死神/魔術師のカードを載せておきますので、よろしければご覧になってみてください。ご質問有難う御座いました!

 

 

 

i7:四~十

・四
 周囲が見るところとは別の方向を向いていたり、一見ちょっと変わった人のように見えます。苦労を耐え忍んで内面での悟りを得たい、というような、自ら試練を望んでいるようなふしがあります(HANGEDMAN)。
 過去には、白い柱と黒い柱という、異なる価値観やふたつの世界の間で迷っているような状態にあり、どちらかといえば暗いほうに目を向けていました(MOON)。まだ感情が幼く、すぐ手元にある自分の判断しか見えていなかったのでしょうか(swordPage)。しかし当時からどこか神秘的な直観力があったようです。
 やがて、自分を守る盾を下ろし、自分の感情を見ることを決め、明るい方向を見ようという決断をしたようです(cupPage-rv)。逆位置で出ていますが、たぶん、過去から見る方向を変えた…という転換を意味していて、マイナスの意味ではないのかな、という気がします。影響しているとすれば、たとえば自分の感情を正しく捉えきれていなかった、とかでしょうか。この決断は仲間たちと一緒の場所に留まるためでもあったようです(JUDGEMENT-rv)。カードの人物のひとりだけがよそ見をしていることから、ちょっとズレているとか、本来は孤独が好きということがありそうです。 現在は今まで積み重ねた価値観を失った代わりに(TOWER)、新しい世界に自らの力で踏み出せた、と大きな自信と結果を持った状態です(TEMPERANCE)。ちょうど以前仲間や居場所のために諦めた事柄に対して、なにか思い直すとか、考え直すような大きな気づきがあったかもしれません。それでいながら、TEMPEREANCEの表す仲介者として、仲間たちとのつながりを取り持つ役割も持っているようです。 直観力がある代わりとでもいうかのように、pageがよく出ていることから、一般的な精神的成長面からみるとすこし幼いところがあるかもしれません。客観的には、大人びているところと子どもっぽいところの両極端がありそうな感じです。

 ・五
 経済や権威などが安定した立場にあったキャラクターのようです。ほかの人物カードとは違う世界からやって来たかのような印象があります。どこか王様の散歩のような雰囲気です。衝動に駆られてどこかから飛び出したのかもしれません(DEVIL-rv)。本人にとって、あるいは結果的に、理想的な出立ではなかったようです。
 理想が高く、美しい調和を好むキャラクターのようです(SUN)。同じカードが、これまでを表す位置にも出ているので、理想が叶うような、本人にとって素晴らしい出来事がありました。ちょうど四のカード(cupPage-rv)と向き合っているので(wandKnight-rv)、四とのイベントに関係があったようにも伺えます。逆位置が関係しているとすれば、思い立ったらすぐに行動してしまうところでしょうか。Knight、Kingと、人物カードとしては男性が出ているのですが、衣装の麗しさや理想とするものなどから見て、やや女性的な印象を持ちました。
 現状、今いる場所に留まっているようですが(JUDGEMENT-rv)、彼のなかの道理や正義とは即していない可能性があります(JUSTICE-rv)。正しい判断ができていないか、判断に迷っているように見えます。

 ・六
 ナギくんはちょっと見たことがある(うえで印象を覚えている)のですが、過去はあまり外交が得意ではなかった/好きではなかったようなカードが出たので驚きました(MAGICIAN-rv)。人びとに囲まれている様子はありますが、本人にとってその状況が好ましくなかったとか、実際は人が苦手だったとか、周囲に本心が出せずにいたような過去があったかもしれません。自分の判断力を武器に、城ではなく荒野にひとり堂々と立つ、重いマントをかぶった王の姿があります(swordKing)。理想のカードを見ても、本当は荷を下ろして自分の宝物だけを見つめていたいような、ひとりを求める気持ちがありそうです(pentaclePage)。
 途中、望み通りに荷を下ろし、自分の感情を見られる出来事がありました(cupKnight)。お城が傍に見えていることから、荒野から自分の居場所を見つけることができたように見えます。何か守るものを見つけたようですが、周囲に輝かしいものがありすぎて、いろいろな考えに気が散っています(STAR-rv)。
 現状、今まで創造してきたものに囲まれて安定した位置にいながらも、その大きさに戸惑っているようです(wandQueen)。その完成された世界のなかで多数の物事や人間に囲まれながら、何をすれば前進できるのかがわからなくなっているのかもしれません(WORLD-rv)。総合的にあまりたくさんの人びとや物事のことを考えるのが得意でないとか、多くの選択肢があったときに急に弱くなってしまうキャラクターかもしれません。

・八
 自分の理想とする世界があり、完璧主義者的なところがある方かもしれません(WORLD)。過去はその理想にそぐわない状況にあったか、あるいは、間違って完成した価値観の世界にいたようです(WORLD-rv)。ただ、当時の本人は、自分の判断に自信があり、自分の力で堂々と立っていると信じていました(swordKing)。
 途中、欲望のままに行動したり(DEVIL)、結果として、ふたつの異なる価値観のあいだで何を見ればいいのか迷うようなことがあったようです(MOON)。本人は仲間のことを考えたり、足元に迫る危険に気づかず高みを見あげて手を伸ばしている様子が印象的です。
 ただ、背後の花は荒野に咲くには不自然なほど大きく、その高みや理想は現実的でなかった可能性があります。 現在、今までの経験から積み上げたものに囲まれて、ある程度安定した立場にあるようなのですが(wandQueen)、それでも本人の道理や正義にはそぐわないようです(JUSTICE-rv)。やはり理想がとても高みにあるか、本人の持つ創造性がとても高く、なかなか現状に満足することができないキャラクターなのかもしれません。グループの中ではもっとも男性的に見えます。

 ・九
 queenの人物カードが多く出ていて、女性的な印象、かつ、立場などが高い様子なのですが、反面、理想は、実際の本人の立場よりもこじんまりとしていて、自分の大切なものだけ大事にできれば満足なように見えます(pentaclePage)。顔や身体の向きがよく変化しているので、イベントごとに考えが変わる経験があった可能性がありますが、どちらかというとこれは八と十のどちらもよく気にかけているキャラクターなのではないかと思いました。 彼の過去ですが、上半身をはだけ、身の丈からするとずいぶんと大きな杯を見つめる女性の姿があります(cupQueen-rv)。カップは感情や情愛を表します。溜めこんでしまった自分の感情をどうすればいいのかわからず途方に暮れているように見えます。経済や立場的には安定していたキャラクターのようです(pentacleKing)。立場的にやや五に近いものを思わせます。
 途中、今まで積み上げてきたものが崩落するような大きな出来事が起きました(TOWER)。なんとなくですが、八のカードと同じものが八のカードと向き合う形で出たので、八のイベントと関係があったのではないか、と感じました(wandQueen-rv)。ただこの出来事は新しい世界を築くという意味で、結果的にはよい崩落であったようです。
現在は幸運や輝かしいものに囲まれ、守るべきものを得、とても満たされた状態にあるようです(STAR)。満たされすぎてちょっとわがままになっている可能性があります(EMPRESS-rv)。もしかすると八や十に甘やかされていることに甘んじているかもしれません。queenやEMPRESS、kingが出ていることから、鷹揚で育ちの良さを感じさせ、理想が一転pageになっていることから、少し世間知らずな面も見えます。

 ・十
 どこか浮世離れした、人びとから離れた場所で当てもない場所を眺めていたいような印象を受けました(MOON-rv)。全体的に一般的な考えとは違う、ちょっと変わったカードが続きますが、現在は信頼できる仲間と同等に肩を並べて満足できる状態にありそうです(LOVERS)。ただ、あまりに情熱的に手に入れたものに見入りすぎて、なにか本来の持ち物を見失っている可能性があります(wandPage)。過去の状態からみるとどんどん子どもに還っているように見えますが、それが仲間との間で得た、彼の本来の姿なのかもしれません。 過去はやや特殊な立場で、人の上に立って何かを教えるような存在だったようです(HIEROPHANT-rv)。なにか無益な試練に耐え続けるようなもがきがあったようなのですが(HANGEDMAN-rv)、立場的に、それを表に出したり、逃げたりすることが許されていませんでした。どちらのカードでも大きな木に縛られているとか、大きな柱の下にいるという構図で、その場所から離れられない理由があったように見えます。
 途中で彼の理想に近い構図のカードが出ています(HERMIT-rv)。暗い夜に月を見ながら祈るカードです。おそらく上述の立場から離れてひとりになることができ、理想を見つめる時間ができたのではないでしょうか(pentacleQueen)。ただしこれらのカードでは、自分の内面に籠もりすぎて、仲間からも目を逸らすような状態になっていたかもしれません。現状での、仲間に囲まれて幸せそうなカード(LOVERS)を見ると、本来そうありたい彼自身とは違うかもしれませんが、これはこれでとてもよい光景であるように窺えます。ただし今までのカードが表す性格から見ると、またふらふらとひとりでどこかへさまよってしまうかもしれません。何かを一心に見つめるカードが多いです。 

 

 

 

ダンマカ:八/亥

●ダンマカの八と猪(CP)・ケルト十字

 イベント開始時は安定して満たされた状態にあったようです(wandQueen)。周囲は今まで作り上げた花に満ちています。開始時より少し前には、意欲に燃え、手に持ったひとつの花を一心に見つめるカードが出ています(wandPage-rv)。開始時には既にこの願いが叶って成熟した状態にあったかもしれません。またこのカードは八の理想(wandPage)の逆位置であることから、八の理想とは逆であるとか、もしくは理想に対して未成熟な状態と取れそうです。
 少し舞台が進むと、手にしていた花はコインに替わり、視線も手から逸れています(pentacleKnight-rv)。成熟した状態から、また新たな目標に向かって進みだそうと決めたようですが、その目標が果たしてどういうものなのかをきちんと理解している状態ではないかもしれません。
 彼ら(あるいは八か亥のどちらか)の理想は、解放されて自由な状態への冒険的な旅立ちのようです(FOOL)。対して、剣をかざした勇ましい(無謀ともとれる)騎士のカードが障害にあります(swordKnight)。その障害は、異国や、外部からやってきたものが元となっているかもしれません(pentacleKing)。このカードからは「望ましくない王」の姿が感じ取れます。また、イベントが少し進行した状態(pentacleKnight-rv)と同じペンタクルのカードであることから、もしかすると、イベントはこの障害がやってきた場所へ向かって進む展開のある物語なのかもしれません。
 彼ら(あるいは八か亥のどちらか)の抑圧する意識として、本当は、辛抱や耐えることをせずに思ったままに進んでいきたいという願望が見えます(STRENGTH-rv)。周囲は道義や正義の通る均衡のとれた環境であるようです(JUSTICE)。
 彼ら(あるいは略)がさらに進んだ先では、手にしていたコインはカップに変わり、逸れていた視線はまた一心にカップに注がれています(cupKnight)。また、以前には突き進んでいた馬の歩調は、手にしているカップの中身をこぼさないかのようにゆっくりになっています。カップは感情や情愛を表します。手に入れた感情を大事にしつつ前進していこうという気もちが見えます。
 最終結果は、目標としていたカードに非常に近い構図です(swordPage)。ただ目標のカードでは険しかった山々はわずかなもので、厳しい崖も平坦な大地になっているので、期待していたようほど険しさや冒険心のある場所ではないかもしれませんが、自由な場所のようです。けれど、イベント開始時にあった花々は無く、ただただ荒野が広がっているところが、彼らが手に入れたものをすべて失ったことを表しているように思えます。カードの人物はひとり、手に入れた剣をじっと見つめています。

●ダンマカの八と猪それぞれ・フォースプレッド(上から、「イベント開始時」「起こったこと」「最終結果」「実際の目標」を表します)
 八と亥関連で3つのスプレッドを展開しましたが、総合して、八がKing、亥がQueenで表されるという非常におもしろいスプレッド結果になっています。

→ 八
 イベント開始時にはとても満たされた状態であったようです(cupKing)。喩えるなら「よい王様」という表現がふさわしい、情が豊かで人びとの上に立つような安定した地位にあります。情愛の満ちたカップを手にしたまま、城の外へ向かうことになるようです(cupKnight-rv)。逆位置で出ていることから望まない出立であった可能性があります。最終的に、新しい世界を見つけたような出会いをすることになります(SUN)。SUNのカードですが、占った当初は「パートナーを見つける」と捉えましたが、死別ルートが存在することを考えると「死を迎える」と捉えることもできるカードです。この、どちらとも捉えられるカードが出たのは非常におもしろいと思います。
 目標の位置にあるカードには、手に持った花を一心に見つめる若者の姿が出ています(pageWand)。これはイベント開始時のCPのカードの正位置となりますので、イベントより過去の状態から成長し、より成熟した状態になりたいという願いを持っている、という表れになるかと思います。

→ 亥
 イベント開始時、剣を持ってひとりで立つ女王の姿があります(swordQueen)。厳しいところがありながらも判断力のある優れた女王のようです。ただ、イベントが進行し、周囲が花々で満たされるようになると、手にした剣は大きな杖となり、それは花々を咲かせた創造性や意欲の表れでもありますが、剣と比べると大きすぎて持て余すようにも見えます(wandQueen)。美しい景色に囲まれ、立った状態からゆったりと玉座に腰掛ける様子から、とても安定した状態のようですが、表情からは少しその場所に飽きているような印象を受けます。人物の持った創造性には、この満ち足りた場所が少し物足りないのかもしれません。  最終的には孤独を示すカードが出ています(HERMIT-rv)。人の世からはずれた洞穴から月夜に向かって祈る男性は、夜に何を願っているのでしょうか。祈る先には「死の世界」や「時間の経過」の象徴でもある月があり、その月は三日月に欠けています。
 カードに表される人物がすべて同じ方向を見ている(よそを向いている)ので、孤独なキャラクターであるとか、孤独の願望があるとか、人びとから少し離れた位置にいるキャラクターなのではないかと予想されます。ただし「目標」の位置にあるカードでは少し視線が逸れる様子もあるので、完全に孤独を求めているわけではないのかもしれません。スプレッドの状態のため、視線が逸れる人物がちょうど八を向いているような状況になるのがちょっとおもしろいです。

 八の目標に出ているwand(wandPage)を、イベントの途中で亥が持っていて、さらにwandは亥の部屋(や心)に立てかけられたり、部屋をともすたいまつとして使われていて(HERMIT-rv)、八の目標物は亥が持っているのではないか、というように見えます。

●ダンマカの八と亥が選択肢AかBを選ぶ場合のそれぞれ・二者択一

 通常はV字型で、「対象者がAかBの選択をする場合」として占うのですが、八と亥をまとめてW字で占ったところ、「W字の離れる辺同士が死別ルートを選んだ場合」、「W字のくっつく辺同士が死別ルートを選ばなかった場合」で出るという興味深いスプレッド結果となりました。
また、死別ルートを選ぶ場合は、八を現すカードがking、亥がqueenとして出ており、死別ルートを選ぶことによって双方が分たれる結果となることが強く表れています。選択肢を選ぶ直前までの亥の状態がLOVERSで出ていることからも、決別を意味しているとみて間違い無いでしょう。(LOVERSは恋人関係のみではなく、円満な人間関係の状態を現すカードです。ただ、片方がking、片方がqueenで出ていること、スプレッドの特殊な形から、この二人には、信頼しあっているとか、なんらか強い結びつきがあるとみてもいいと思います)

 八は死別ルートを選ぶときから死を予感していたようです(judgement)。また、ルートを選ぶことでその通りに死が訪れます(death)。この際の人物の表情が亥のほうを向いていることから、死しても気持ちは亥のほうを向いているととれるかもしれません。
生存ルートを選ぶ場合の八には、どの選択肢を選ぶかの葛藤があるようです(magician)。彼には剣や杖、カップ、コインなどの選択肢がありますが、彼は杖を選びます。杖を選んだことで彼は今まで得たものを全て失うことになりますが、それは新たな出発を意味するでしょう(tower)。

 生存ルートを選ぶ場合の亥は衝動的にこちらの選択をとるかもしれません。自分ではコントロールのできない獣に乗っているような状態です(DEVIL)。そのまま新たな場所へ出発しますが(CHARIOT)、逆位置で出ていることが、DEVILが導くままこの道を選んだことへの疑問を表しているように思えます。死別ルートでは亥は剣をとります(swordKnight)。また、その剣を抱いたまま(swordQueen)、ひとり一からやり直すような気持ちになるでしょう(swordPage)。どちらかといえばこちらの結果は亥にとってイベント初期に近いものかもしれません。広い大地で手に持った剣を見つめる表情が印象深いです。

 「八と亥がそれぞれA、Bの選択肢を選んだ場合」という前情報で占わせていただいたのですが、生死に関わる占いは初めてだったので、こんなにはっきりJUDGEMENTとDEATHが出るんだな〜、と思えて興味深かったです。有難う御座いました。

 

 
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