「イルカと少年」「サスペリア」

最近創作資料でよく観るのですこしまとめていきます。そんなにネタバレはないです。知り合いに見せるメモくらいの感覚で書いているので、へろへろだったり、自分の好ききらいが出ています。すみません。。

◆2012年『イルカと少年』

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尾びれを失ったイルカと少年の交流を描いた、実話を元にした感動ドラマ。11歳の少年・ソーヤーは、浜辺で怪我を負ったイルカと出会う。水族館に保護されるも尾びれを失ってしまったイルカのために、ソーヤーは博士に人工尾びれの製作を依頼する。

ポスターの「こんな映画です!感動してください!」感がしんどかったので観たくねえ~と思いながらアマゾンプライムで上乗せ300円払って観たのですが、まず開始10分の「周囲に馴染めない美少年の鬱々とした様子」「それを心配する従兄弟」エモBLみたいな絵面が観れただけでも300円払って良かったです。

イルカをはじめ、海にまつわる動物がいろいろ出てくるのですが、みんなちゃんと「役者さん」していてすご~い。また、海のそばで暮らす家族がいて、その海に密接した生活ぶりがすごくうらやましくなります。動物好きでも海好きでもたのしめそう。わたしはどちらも大好きなので隅々までわくわくしながら観ていました。

ストーリーは王道で、派手さはないんですけど、シーンの端々から「伝えたいことがたくさんある!」波動がたくさん出ていて、監督や撮影がうまいのか、事実をベースにしているがゆえの特性なのか、なんかよくわからないんですけど、画面に表れる表現以上におもしろみ溢れる映画だな……とおもいました。全体的に絵面が好きだった。観てよかった。
ちなみにBLみは最後のほうにもあったし、エモBLみたいなのにヒロインもめっちゃかわいかったです(?)。誰にでも勧められるし、ふじょしにも「最後まで萌えるから観てごらん」っておすすめできます。

途中に出てくる神話の話が、最後のほうのシーンでじわっと出てくるのもよかったな。あそこで泣きました。よい映画だった~。

◆2018『サスペリア』
(1970年代のオリジナルのほうは未視聴です。グロ、痛い、ホラーが苦手です)

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1977年、ベルリン。世界的舞踊団のオーディションを受けるためにアメリカからやって来たスージーは、カリスマ振付師マダム・ブランの目に留まり、晴れて入団を許される。主力ダンサーだったパトリシアの失踪に舞踊団全体が揺れる中、マダム・ブランに才能を見出されたスージーは、目前に迫った次回公演の大役に大抜擢されるのだったが…。

こわい!!!!!!!!!!!

なんだろう……なんか全体的にめっちゃこわかったです。グロ、痛い、ホラーの三拍子。ただしひとつひとつはそこまで激しく描写されるわけではないです。ホラー感はキューブリックくんのシャイニングに近い、どこか、装飾と芸術と哲学な感じ。
いちおうダンスが目的で観たけどダンス自体はあんまり好きな感じではなかったな……コンテンポラリー系です。へんな衣装(ひも)のほうが気になってダンスに集中できないからかも……。それでも、見せ方、演出がすごくて、ダンスと恐怖がいい感じに融合・連続していてすごいな~!っておもいました。

最後は惨劇なんですけど、ラストシーンは真っ赤っ赤すぎて逆にぜんぜん怖くなかったです。でも途中までめっちゃこわかった。あと長い(3時間弱)。長いけどティルダ・スウィントン(指輪物語のエルフの女王さまやドクターストレンジの師匠)が美しくてそこはずっと見ていられる。

同監督の「君の名前で僕を呼んで」が、知識の素地が無いと、BLだということしかわからない(BLという言葉と同性愛という言葉の使い分けはいちおう自分なりに考えてるんですけど、この映画はBL感を感じた)ので、この「サスペリア」もめっちゃ難しいんだろうな……とおもいながら観たのですが、「君の名前で僕を呼んで」ほど徹底的にわからなくはなかったです。でも深い部分は、ネットにあふれる考察文を見れば見るほどわからないです。とりあえず、「1960年代のドイツについて」、「アーミッシュ(メノナイト派)」、「ユング」、「オリジナル版」、のことを知らないと「いろは」の「ろ」以降はわからないんだろうな……と感じました。でも、なんにも知らなくても「いろは」の「い」はわかるので、丁寧な映画だとおもいます。

ホラー映画、デレステの推し(小梅ちゃん)が好きなジャンルなので、一時期ずっと観てたんですけど、観れば観るほど、人を恐怖させる映画を撮る人間の精神がきらいになっていったのですが、この映画はおもしろかったです。繰り返しになりますが、キューブリックくんのシャイニングが好きなひとなら好きだとおもう。

あとThom Yorkeの曲がとてもよかったな~。聞いているだけで鬱になります。