「Us」「Dead Don’t Die」「PURGE」「ロンドンゾンビ紀行」「It Comes At Night」「来る」

Us

解説を見るといろいろ格差社会の話とかなんか描きたいテーマがそこらへんにあるみたいなんですけど、テーマ以前におもしろくない映画はおもしろくないだろ!!!!!!っておもったので合わないんだとおもいます。
こちらのレビュー記事がわたしにはわかりやすくてとてもよかったです。


Dead Don’t Die

これも風刺とかあるみたいなんですけどテーマ以前に(略)。何も起きない割にはグロに時間を割く辺り、久しぶりにグロ映画のこと嫌いになったのでホラー映画好きな人向けなのかもしれないです(わたしは純粋なホラー映画と合わないから…)。

役者さんは好きだった。


PURGE

一年に一回、法律が無効になる日があるから殺人でも強盗でも好き勝手しようね!パージデーだ!という世界線のアメリカの話が五部作。四部まで観たけど、それぞれで「パージデーがあったらどうなるか?」というような話が描かれていてたのしめた。「実現不可能な世界観を数時間にかけて展開笑、話の内容は王道でホラー的な面白みはない」ていう低評価があるのもわかる。でもたぶんわたしは「いうてトランプ政権も実現しましたし…」と思いながらSF世界的なたのしみ方をさせてもらえたのでよかったです。ドラマ版は一話の途中で飽きました。たのしみにしていたので残念。パージデー以外の日々の葛藤を小説などで読みたくなるわね。

ホラー映画というくくりみたいですけど、ディストピアSFとかのほうが評価されるのかも…ゾンビものに近い気がする。

これも貧困層とかのテーマがあるホラーですけど、上記二作とどう違ってどこがわたしに刺さってどこが反発したのかはよくわからないです。馬が合わないんだとはおもう。


ロンドンゾンビ紀行

原題はロンドンっ子vsゾンビ。「紀行」というタイトルとバスに乗っているカバーから、バスでゴーゴゴーするのかな~とおもったけど特にそういうゾンビ旅要素はなかったです。

前半は間延びしていたけど、途中でおじいちゃんおばあちゃんたちが活躍する辺りから、これがゾンビ映画だぜ~!イエァ~!というたのしさがありました。老人vsの映画はもっと出てほしい。

たぶんゾンビランドとかショーンオブザデッドとかウォームボディーズとかハートウォーミングコメディ系のゾンビ映画が好きな人はそれなりにたのしめるとおもう。わたしはそのへんとあとバタリアンが好きです。


It Comes At Night

サスペンスホラー?かな。
終始なにも明かされないんですけど、よい雰囲気でした。ちょっと長い気がするけどそこも合わせての雰囲気づくりのような気がするのでなんともわからない…。ザコむき出しの言いかたでまとめると「こわいのは人間だよね~」っていう話だけど丁寧に描かれているのでよかったです。たぶんわたしはちゃんと拾いきれていない。出てくる人種構成がごちゃごちゃなのも意味があるとおもうんだけど…。


来る

「告白」「下妻物語」などの中島哲也監督のホラー映画。シーンやセリフひとつひとつに意味があるな~!!!!!!!というのがざくざく刺さってくるので興奮する(ちゃんとわかってはいない)、嫌われ松子の一生を含め、ほかの映画もぜったい観よう!とおもった。

家族?社会集団?人間のディスコミュニケーションがテーマにありました。映画ってこういう、時代の話をテーマに入れなきゃいけないのか、監督が生きて思ってることがテーマになりやすいのかわからないですけど、「どんな人間も鏡合わせ(同じ)」みたいなのは何度も何度も描写されるし、とても丁寧なのでわかりやすくてよかった。中二心として神道でお祓い!みたいなのが好きなので、そういうエンタメもよかった。世界一かっこいい柴田理恵がみれるよ!っていう感想があったけどほんとそう…。役者さんがすごくよかった…途中で出てくるおじいちゃん神主さんたちもかっこよかった…。原作もよもうかな。

こちらのブログのレビューがよかったです。


ほんとにメモ書き程度になってしまった。
「運動靴と赤い金魚」とかも観てるはずなんですけど、ぜんぜん思い出せないのでメモ書き程度でも書き留めておきたいです。

「下妻物語」「This is it」「All That Jazz」

2004 “下妻物語”

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田園風景が広がる美しい茨城県下妻市。青空の下フリフリのロリータ・ファッションで闊歩する少女・桃子(深田恭子)の生きがいはお洋服。ロリータ一直線で他人を必要としない桃子の前に、真っピンクの改造原付きに乗った地元のヤンキー少女(土屋アンナ)が現れる。

ぜんぜん知らないけど深キョンとアンナちゃんのGLかな?と思って観たら、深キョンとアンナちゃんのGLだった~。とてもよかった。翔んで埼玉みたいだった。ギャグだと思ってなかったのでびっくりしました。
スタッフロールで、めっちゃイチャイチャして照れるアンナちゃんにキスを迫りまくる深キョンも含めて本編です。

ていうかよい映画だったのでふつうにたくさん泣きました。
「幸せを勝ち取ることは、不幸に耐えることより勇気がいるの」
のセリフを聞けただけでも、この映画を観れて、ほんとうによかったです。

樹木希林さんが出てくる映画ちゃんとみたの初めてなんですけど、なんでか樹木さんのさらっとしたセリフで泣いてしまったので、別の樹木さんが出ている映画も観た~いっておもいました。ご存命のうちにそう思いたかったな……。

アスペルガーって、あんまりカテゴリー名として(今の時代で)公の場で使うの好きじゃないんですけど、深キョンの演じてる子はアスペルガーっぽいよね。そこも含めてとてもかわいい映画だった。
話は映画から変わるけど、でも、今の時代をちょっとずつ変えていくためにも、公で使ってもいいのかもしれないな~って書いてておもった。どんな人類も普遍の延長とそのあいだに散在してるということを、誰にもわかりやすく、わざわざ言ったほうがいいときもあるのかもしれない……。わたしは言葉の力をかなり恐れているのであんまり口に出したくないけど……。

『告白』の監督さんなのか……ほかの中島哲也さんの映画もぜひ観よう。

2014 WOOD JOB!

伊藤英明と上三津鉄道がかっこよかったな~。
集団の絆(今作の場合は村社会)みたいなのがしんどいのと、男女間の恋愛ものがあんまり理解できないのでぜんぜん言えることがなくて申し訳ない……。
腐女子の意見としてはヤンキーと自衛隊のコンビは萌える、ということでした。

2009 THIS IS IT

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2009年6月に急逝したマイケル・ジャクソンによって、死の数日前まで行われていたコンサート・リハーサルを収録したドキュメンタリー。何百時間にも及ぶリハーサルを一本の映画にまとめあげたのは、『ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー』の監督兼振付師で、予定されていたロンドン公演のクリエーティブ・パートナーでもあったケニー・オルテガ。コンサートを創り上げる過程では、偉大なスターであり才能あふれるアーティストでもありながらなおも進化を続けたマイケル・ジャクソンの素顔が垣間見える。

これを観て、簡単なニュースといくつかのアルバムでしかマイケルさんのことを知らなかったこと、ものすごく後悔しました……ぜひライブを観に行きたかった……でもこういうドキュメンタリーが残っていたことでわたしはとても救われた気もちになりました。
演出家もミュージシャンもダンサーもマイケルさんも、みんなの熱意が観れてうれしかったです。このツアーが実行されていれば……という気もちはものすごく残るけど……。こんなふうにこんなひとが死んじゃうことがあるんだ……神なんていない……という気もちです。

わたしのマイケルさんとの思い出はスペースチャンネル5っていうゲームです。
マイケルさんが一緒に踊ってくれるたのしいダンスゲームだよ。またいろんな気もちでこのゲームを遊べそうです。

1979 “All That Jazz”

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ブロードウェイの振付師で演出家のB・フォッシー監督の自伝的作品。酒やタバコに鎮痛剤で体調不良を無理やり捩じ伏せ、新作ミュージカルの稽古や映画の編集作業に飛び回る演出家ギデオン。しかし次第に体は蝕まれ、ついには病の床に伏してしまう。夢うつつの中、彼は幻想の世界で自らを回想し、夢の中で思い描いていた一大イベントの幕を切って落とすのだった…。ショー・ビジネス界の裏側をひとりの男の姿を通し、幻想的な描写を効果的に使って描いた異色ミュージカル。

男女間の性のみのコミュニケーションが苦手なので、ジョーの性的奔放さが描かれる開始30分くらいはしんどかったんですけど、出てくるジョーの子どもが可愛くて続きを観れました。

ダンスシーンがほんとうによかった。
人生に関する感想をぜんぶダンス(っていうかショー)で構成するひとなんだな~っておもいました。

セックスを強く意識させるダンスもあるけど、いやらしさがなくて、純粋な欲動と刹那的なintimate(親密さみたい意味)……みたいな感じだったので、たぶんそういうふうに仲間と身体的コミュニケーションをとるひとなんだろうな~とおもった。
そういうダンスもあれば、家族愛を意識させるダンスもあって、ジャズダンスのいろんな幅を観れてすごくよかったです。THIS IS ITという2009年のダンスシーンを観たあとの1979年のダンスだったので余計に沁みました。

メインストーリーは奔放ながらもショービズの世界に生きるおじいちゃんの人生の終劇……という感じ。最初は苦手だった奔放さも、なんかそういうことだけじゃないんだろうな、さみしさを嫌うひとなんだな、というのが、形のうえだけじゃなくて理解できてくる感じだった。
わたしはキスシーンとかも苦手なんですけど、最後のほうのキスシーンはすごく胸にきました。最後まで観てよかったです。

「イルカと少年」「サスペリア」

最近創作資料でよく観るのですこしまとめていきます。そんなにネタバレはないです。知り合いに見せるメモくらいの感覚で書いているので、へろへろだったり、自分の好ききらいが出ています。すみません。。

◆2012年『イルカと少年』

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尾びれを失ったイルカと少年の交流を描いた、実話を元にした感動ドラマ。11歳の少年・ソーヤーは、浜辺で怪我を負ったイルカと出会う。水族館に保護されるも尾びれを失ってしまったイルカのために、ソーヤーは博士に人工尾びれの製作を依頼する。

ポスターの「こんな映画です!感動してください!」感がしんどかったので観たくねえ~と思いながらアマゾンプライムで上乗せ300円払って観たのですが、まず開始10分の「周囲に馴染めない美少年の鬱々とした様子」「それを心配する従兄弟」エモBLみたいな絵面が観れただけでも300円払って良かったです。

イルカをはじめ、海にまつわる動物がいろいろ出てくるのですが、みんなちゃんと「役者さん」していてすご~い。また、海のそばで暮らす家族がいて、その海に密接した生活ぶりがすごくうらやましくなります。動物好きでも海好きでもたのしめそう。わたしはどちらも大好きなので隅々までわくわくしながら観ていました。

ストーリーは王道で、派手さはないんですけど、シーンの端々から「伝えたいことがたくさんある!」波動がたくさん出ていて、監督や撮影がうまいのか、事実をベースにしているがゆえの特性なのか、なんかよくわからないんですけど、画面に表れる表現以上におもしろみ溢れる映画だな……とおもいました。全体的に絵面が好きだった。観てよかった。
ちなみにBLみは最後のほうにもあったし、エモBLみたいなのにヒロインもめっちゃかわいかったです(?)。誰にでも勧められるし、ふじょしにも「最後まで萌えるから観てごらん」っておすすめできます。

途中に出てくる神話の話が、最後のほうのシーンでじわっと出てくるのもよかったな。あそこで泣きました。よい映画だった~。

◆2018『サスペリア』
(1970年代のオリジナルのほうは未視聴です。グロ、痛い、ホラーが苦手です)

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1977年、ベルリン。世界的舞踊団のオーディションを受けるためにアメリカからやって来たスージーは、カリスマ振付師マダム・ブランの目に留まり、晴れて入団を許される。主力ダンサーだったパトリシアの失踪に舞踊団全体が揺れる中、マダム・ブランに才能を見出されたスージーは、目前に迫った次回公演の大役に大抜擢されるのだったが…。

こわい!!!!!!!!!!!

なんだろう……なんか全体的にめっちゃこわかったです。グロ、痛い、ホラーの三拍子。ただしひとつひとつはそこまで激しく描写されるわけではないです。ホラー感はキューブリックくんのシャイニングに近い、どこか、装飾と芸術と哲学な感じ。
いちおうダンスが目的で観たけどダンス自体はあんまり好きな感じではなかったな……コンテンポラリー系です。へんな衣装(ひも)のほうが気になってダンスに集中できないからかも……。それでも、見せ方、演出がすごくて、ダンスと恐怖がいい感じに融合・連続していてすごいな~!っておもいました。

最後は惨劇なんですけど、ラストシーンは真っ赤っ赤すぎて逆にぜんぜん怖くなかったです。でも途中までめっちゃこわかった。あと長い(3時間弱)。長いけどティルダ・スウィントン(指輪物語のエルフの女王さまやドクターストレンジの師匠)が美しくてそこはずっと見ていられる。

同監督の「君の名前で僕を呼んで」が、知識の素地が無いと、BLだということしかわからない(BLという言葉と同性愛という言葉の使い分けはいちおう自分なりに考えてるんですけど、この映画はBL感を感じた)ので、この「サスペリア」もめっちゃ難しいんだろうな……とおもいながら観たのですが、「君の名前で僕を呼んで」ほど徹底的にわからなくはなかったです。でも深い部分は、ネットにあふれる考察文を見れば見るほどわからないです。とりあえず、「1960年代のドイツについて」、「アーミッシュ(メノナイト派)」、「ユング」、「オリジナル版」、のことを知らないと「いろは」の「ろ」以降はわからないんだろうな……と感じました。でも、なんにも知らなくても「いろは」の「い」はわかるので、丁寧な映画だとおもいます。

ホラー映画、デレステの推し(小梅ちゃん)が好きなジャンルなので、一時期ずっと観てたんですけど、観れば観るほど、人を恐怖させる映画を撮る人間の精神がきらいになっていったのですが、この映画はおもしろかったです。繰り返しになりますが、キューブリックくんのシャイニングが好きなひとなら好きだとおもう。

あとThom Yorkeの曲がとてもよかったな~。聞いているだけで鬱になります。